1/31/2011

Domed PergolaⅢ-Gridを組む

五角形のグリットに続いて、三角形、それから平行四辺形のグリットも念のため組みたててみる。
ジョイントの接合部は、すんなり噛み合う。だが実際現場で組み立てる際は片方をうまく固定しておかないと締め付けに難儀をするだろう。場合によっては高さの調整できる支持棒を用意しておいたほうが断然良いだろう。

三角形を形成するグリット



平行四辺形を形成するグリット

1/26/2011

Domed PergolaⅢ-加工作業(冶具による)

作業開始にあたってはジグの使用は欠かせない。
材の各要所への墨付けは軽量の長尺棒が好ましい。ここではアルミのLフレーム材を使う。端部にはストッパーをつけておくと墨付けがずれにくい。
墨付け用のジグ
 材の端部の角度出しもジグで墨付けをしておく。
端部の切断用ジグ
通常の丸のこでは角度が45度までなので、今回の様に鋭角22度の場合は固定金具をはずして自己調整する。
丸のこで切断
材の組接ぎ、接合部の仕口をつくるための切り込みもジグを用いるほうが断然効率が良い。アルミの薄いシートを切って材にあわせて折り曲げ、輪郭をなぞって墨付けをする。

仕口切込み用のジグ
 この切り込みは慎重に行なわなければならない。できればバンドソーがあれば確実だが、またそれようにジグをつくらねばならず、手間もかかるので手で切ることにする。材をワークベンチの万力に挟んで、切込み線を垂直に正して前後を確認しながら切る。
万力で挟みノコギリで仕口を切り出す。

1/25/2011

Domed PergolaⅢ-作図作業


幾何解析が済み、加工図面作成に至る。
その際、ここでは通常の設計図は利用価値が低くなる。そのため平面図のみ仕上げる、あとは部材加工図に進む。
要するに直行3座標示軸に沿って形態が成り立っているのでなく、六つの座標軸から成り立っている。そのため従来のやり方は通用しない。
平面図・設置施工図
ここではその一つを平面図で、しかも設置レベルでのみ示し、後は部分の詳細でまとめるやり方を取っている。必要最小限の作図作業であり、後の部材加工詳細に移行するやり方はジオデシックドームとパターンは似ている。
部材(支持材)加工図

部材(支柱材)加工図・組立図
組立図は寸だしの確認さえ取れれば、描くほどのことではない。実際の現場では指示図面のイラストか手順書があれば良いだろう。
しかし個人的には何も描かないで模型を参考にして組み立てる予定だ。




1/24/2011

Domed PergolaⅢ-Jointの試作

五角錐側の接続箇所(Joint)を試作するため、以前作ったJointの試作を確認する。
再確認したところ、その接続面が微妙にずれている。ぴったりと合致しないのだ。気にはなっていたが加工のあいまいさのせいにしていた。
しかし、どうやら重大なミスをしていることに気付いた。
この微妙な曖昧さのままイケイケで行くと組立の終盤でまったく立ち往生してしまう。

以前描いた幾何解析図面を確認してみると、ある角度がまったく読み取れていないことに気付いた。
最初の段階で急いで読み取ろうとしたため、図面が乱雑になり直感に頼ってしまったのだろう。
最初から読み取りはていねいに段階を踏むべきだった。
直感は包括的対象に対してある程度いけそうな場合のみ用いるべきで、それ以降が確実な道ならば再度振り返りながら歩むべきだ。
作業しながら記録は常に執り、明日の自分が第三者となってもよいように努めておくべきだ。
それでも個々の作業の記録は、時間的に大雑把にしかとどめておけない。
Joint箇所の切込みを示す幾何解析図

五角錐側のGritを形作るJointの試作

1/22/2011

Domed PergolaⅢ-幾何解析作業

この間、幾何解析作業を行なっていた。
解析に模型はかかせない。数値とビジョンだけでは立体を読み取れない。
必要とする模型は、核となる多面体・その外郭を形成する充填型の多軸体である。
必要ならば部分模型もつくる。

充填型の多軸体とは、初めて使う呼び名だが、以前は角柱状多軸体といっていた。
この新たな呼び名の方がよりふさわしいのではないかと思っている。なお、この多軸体についての詳しい内容は以下のサイトページを参照していただきたい。
http://www.hiroshi-murata.com/home/geometry/geometrical-traceformation/polyaxes

すでにパーゴラの模型は以前制作済みなので、設計の方はかなり楽になるだろう。
解析図面、多軸体模型、接続部分模型、パーゴラ模型、その中に核模型が隠れて見える。

1/13/2011

ドームパーゴラ(Domed Pergola)Ⅲの組立手順

組立のプロセスを再検討する。
第一段階は直立する支柱とそれに接続する軸材
通常2人いれば可能だが、それでも直立する軸材の組を保持するには支えとなる道具や材が必要となるだろう。
容易で安価なものを考えておかねばならない。できれば端材や骨組み材そのものを用いることができればよいが。


組立の第二段階は上部のドーム部分。
この箇所は何の支えもないので、一方が締め付けている間、相方のもう一方が材の端を保持しなければならない。長時間の支えはかなりきついので、ここでも何らかの支持材が必要となってくる。長尺の笠木材で何らかの対策を講じておかねばならない。

さりとて、組立に3人いれば支える道具などを用意することもないだろう。

1/12/2011

ドームパーゴラ(Domed Pergola)Ⅲのプラン


新たなパーゴラの基本的な骨組み構成は変わっていない。
だが、以前より強度をより高めるため、二次的な再構成を試みた。
これによって開放部がさらに広がり、ドーム内へ誘導の自由度が増した。
上部より見る
側面より見る
さてこれから、その設計に取り掛かっていこう。

1/05/2011

ドームパーゴラⅢ(Domed Pergola)のジョイント


2003年に開発したコネクタ
パーゴラ程度なら、金属製のコネクタを必要とするほど強度は必要ない。
そこで今回、構造材に継ぎ手を施し、ジョイントすることを考える。

幾何解析を行ない角度や寸法を割り出す。すでに基本解析に基づいて最終的な部分解析は立体を細分化して導いていく。既成の空間概念によって錯覚に囚われてやすく、解析を間違えやすい。

解析図面

数回の解析実験を経て解を導く、2011年
ようやく正しい解に基づいて切込み箇所の設計を行なう。

ピタリとかみ合う接合部、2011年
取り外した接合部、2011年
接合部下方からコーチスクリューによって強力に締め付ける。これで何とかいけそうだ。
次回、旧タイプの模型に手を加えて構造をさらに強化しようと考えている。

1/04/2011

多軸体(Polyaxes)によるドームパーゴラⅡ

昨年秋制作したドームパーゴラⅡはジオデシック多軸体(Polyaxes)であった。それには丸棒の軸を用いることでコネクタなしで骨組みを接続する方法を実現した。何よりも設計は困難であったがそれなりの成果を収めた。
当面の結果は愛知県民の森で展示を行なっている。詳細は以下のサイトを参照にしていただきたい。
http://kitemin.jp/?page_id=1989
http://u-treehouse.blogspot.com/2010/10/blog-post_29.html

その制作を通して分かったことをここで書き留めておこう。
このタイプはパーゴラでも使えるが、むしろ中空状の家に向いている。比較的グリットが詰んでいるためである。先ずは球形にしてツリーハウスの骨組みに応用してみるのも良いだろう。
二番目は、まだまだパーゴラとしてはコストがかかる点が上げられる。

そのため、むしろパーゴラ向きのプロトタイプの開発をさかのぼってみようと思い立った。
すでに8年前に制作したパーゴラⅠのリメイク版を行なってみようと思っているのである。
ドームパーゴラの模型を使って組立を検討する、2003年

Cチャンネル鋼で作られたコネクタ、2003年
そのパーゴラは骨組みに特注のコネクタを用いたため、それだけ高価になってしまった。一度つくったきりでお蔵入りになっていた。
その骨組みは菱形30面体、別名ケプラーの30面体、ゾーン幾何学で言うところのゾーン30面体(以下Zohn30という)を核模型として成り立っている。
そのためこの手の基本形は設計が容易で設計変更や形態の変容も容易だ。加えてゾーンシステムの性質である垂直軸が使えるので他の構造物との兼ね合いも容易となる。
組立風景、北側より、2003年

完成風景、南側より、2003年



ただ、コネクタの問題だけを何とかしたかった。新たな素材で安価にコネクタを作るビジョンは浮かばない。
なるべく構成材料を少なくすべきだ。材に切り込みを入れて継ぎ手にすることを今年になってから探り始めた。