なぜ古代コンクリートは何千年も壊れないのだろうか?
今日使われない理由は?
古代コンクリートを作るにはまず、火山灰・石灰・海水を混ぜてモルタルを作製し、それをコンクリートの骨材となる軽石と混ぜて型枠内に流し込みます。
火山灰と海水と生石灰が混ざると、結合能力を持つ化合物が生成されるポゾラン反応が発生し、凝灰岩ができる時の要領で人工の岩が完成するわけです。
では、なぜこんなにも古代コンクリート(ローマン・コンクリート)の耐久性が高いのかという化学的理由は。
現在一般的に使われているコンクリートは製造過程で大量の石油を消費します。それによって石油産業が維持できるようになっています。
こんな石油依存の時代が200年も続くと地球環境はボロボロになってきています。
現在のコンクリートは200年ほど前に発明された(ポルトランドセメント)に砂・砕石を混ぜてできてます。水と反応するとすぐに固まるので工期が短かくて済む半面、寿命が短い。サイクルが短いので関連する業界は潤いやすいのです。
それに対して古代コンクリートは混ぜた後、ゆっくり化学反応が進み、長期にわたって強度が増していく特徴があります。
その代わり、一度施工するとほぼ永久的に地上に残り石化していくので現代文明の産業は成り立ちません。石灰岩や貝殻を焼く窯と火山灰と海水があればできるので、巨大な工場など必要なく家庭で古代産業を興すことができるのです。
そこで私もこのコンクリートについて学び研究し実験することにしました。
骨材とモルタルの間のミネラルの連晶がヒビを防ぐということにあるそうです。現代のコンクリートの骨材の表面は化学反応を起こさないので構造物が長くなるほどヒビが入りやすいのです。
化学反応の過程でアルミナトバモライトが成長することでコンクリートはより硬さを増していきます。
長期にわたって成長しながら硬さを徐々に増していく。まるで生きている有機的な岩ですね。
この『成長』は現代では一般的に悪い意味で捉えられる「腐食」のプロセスにあたるそうですが、これを利用して古代のコンクリートはさらに強度を上げるというわけです。
材料は生石灰+火山灰+海水の三点だけです。
または、
生石灰の代りに焼成した貝殻でもかまいません。つまり科学的成分(酸化カルシウム)が同じであるからです。
また海水の替わりに荒塩とにがりを溶かした水でもかまいません。
構造材に使う場合はより強度を持たせるために以上の混合物に軽石やレンガを砕いたものなど吸水吸着が良く軽い材質のものを混ぜます。
ちなみに日本の三和土(たたき)はこの消石灰に粘土と水を混ぜたものです。
水の代わりに海水を混ぜると、海岸の護岸工事の際は抜群の耐久性と耐食性が保たれます。
粘土と火山灰では混ぜた時の化学反応が違うので耐久性・耐候性はそれぞれ異なってくるでしょう。
【注意】間違って生石灰の代わりに消石灰とかの他の名称の石灰を入れても固まりません。実は一昨年、私はこの実験に取り組み消石灰を使ってみましたが、屋外に置いておくと数カ月でボロボロになって崩れました。化学反応が全く違うのでしょう。
【参照サイト・動画】
石灰、生石灰、消石灰、苦土石灰、有機石灰の違い
https://www.harusa-life.com/knowledge/tuchi/post-25.html
How To Make Roman Concrete
How To Make Improvised Roman Concrete (Corporal-Crete) https://youtu.be/qj7kr2ho800
PRIMITIVE SKILLS: How To Make Roman Concrete (ancient concrete)
https://youtu.be/CcWmpe-Jpao
生石灰の入手先:粉末-生石灰【20kg】