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6/10/2010

テンセグリティー その10

四次元への移行
テンセグリティーの束の状態から展開した状態への変容は、幾何学的に1次元から2次元への変容であり、元の形態が3次元にあたります。
前々回は、これを植物のエーテル体に同調させて説明しました。
しかし、幾何学的な観点から新たな課題として、四次元が残っています。

再度、次元について簡単に言うと、「幾何学ではさらに展開するためのまったく異なる要素を次元として捉え、それを座標軸とすることで数学としても成り立つようにしています」。
構成要素としての軸の変容が四次元への入り口のようだと、前回いいましたが、それと同時にこの変容はユークリッド幾何的概念を変容させてくれる入り口でもあります。
今後、様々な変容例を示していくことで、今まで慣れ親しんできた皆さんの空間概念も少しずつ変化していくことを期待しています。

四次元となる座標軸は構成要素の変容です。その中においてテンセグリテーは変容の一形態に過ぎません。
ですから、変容の座標軸というより、今風に言えばウェブ上の「クラウド」の様に雲の中に点在しているといったほうがより近いかもしれません。

では、具体的に入っていきましょう。
テンセグリティーのテンション材は、コンプレッション材を物理的に維持するための要素です。
ここでは量子力学的発想をフル回転させることで、それを非物質させ磁気エネルギーとしてとらえてみましょう。そのエネルギーの強弱によって軸が互いに離れたり接したりすることの方がより本質に近づいていきます。

そのエネルギーを徐々に強めていきます。そうすることでコンプレッション材(軸)が互いに近寄り、最後は接することになって行きます。
幾何学的発想から逆の見方もできます。軸が徐々に拡大して太くなることによって互いに接することにもなります。
この例では、軸を円柱状と見なし、その延長部は省略し切断して見せています。
しかし、理論上は永遠に途切れなく宇宙空間につながっているのです。その延長は、さらに他の軸の延長と結びつくことで、ユークリッド的な解釈が成り立たない空間を作り出す可能性があります。

6/07/2010

テンセグリティー その9

テンセグリティーとエーテル体、そして花
この6弁の花びらは、3弁が一つの
単位となり繰り返されている。
前回、テンセグリティー樹木の関係について述べました。樹木の中を流れる生命エネルギー(エーテル体)の変容がテンセグリティーとシンクロナイズ(同調)する内容でした。
最後に、エーテル体の流れは植物の最上部において垂直方向から水平方へと転じることに触れました。

今回、そのエーテル体の流れが花となる点を、テンセグリティーで追って見ていこうと思います。

再び6本の軸によって構成するテンセグリティーを見てみましょう。
通常よくお目にかかるタイプです。
前回も触れましたが、その設計過程の初段階では核模型にゾーン多面体を用いています。ただ、この段階で設計方法は重要ではありません。
6軸によるテンセグリティー
この形態を前回は折り畳み、束状にしました。そして、その変容が植物の上昇を促していることについてお話しました。その際、テンション材の固定を緩めましたが、今回は逆方向に緩めていきましょう。
すると、前回とは異なり軸が徐々に開いて床に開放された状態になります。
テンション材を解き放ったテンセグリティーの花
テンセグリティーの花ができます。上昇エネルギーの転換は、テンション材となる要素を逆方向にゆるめることでなされます。
このあたりの動きが動画で示せないのが残念です。一般的なテンセグリティーの模型ならば容易に試すことができます。
先の束の状態から展開した状態への変容は、幾何学的に1次元から2次元への変容であり、元の形態が3次元にあたります。

すると4次元とは何でしょうか?
幾何学ではさらに展開するためのまったく異なる要素を次元として捉え、それを座標軸とすることで数学としても成り立つようにしています。
そうなると、やはり構成要素としての軸の変容が四次元への入り口のようです。それについては追々入っていくことにして、次に12本の軸によるテンセグリティーの場合を見てみましょう。

12軸によって構成するテンセグリティー
軸の端部をで示しましたが、その三本はそれぞれ平行に配置されています。この3本が四組それぞれ異なる方向から規則的に構成されることでこの形態は成り立っています。これも設計の初段階においてゾーン多面体を核模型に据えています。
さて、変容のパターンで先の例ではテンション材を滑らすことで緩めましたが、この場合中間の固定をはずして解き放つ感じにもって行きます。今回のパターンも直感で行いました。

緑の→で示した固定箇所は、テンション材の中間であり、軸の中間にも位置しています。それぞれの箇所を一斉にはずすと、その緊張は解き放たれて、全ての軸が床に伏します。
緊張の解けたテンセグリティーを持ち上げる

テンション材を解き放ち、床に伏したテンセグリティーの花

その伏した軸は4方向へと配列し、4弁の花とシンクロします。エーテル的には4方向へとエネルギーが解き放たれているといえます。
滑らせるパターンは、今回のこの構成では行なっていないのでわかりません。
4弁の花びら(ヤマボウシ)
その他、30本で構成するテンセグリティーについても若干テンション材の緩めるパターンが異なるものの、同様に1次元、と2次元的な収束と展開が可能なことが分かっております。
記憶は確かではないですが、R.B.フラーに関する文献に掲載されておりました。

次回、直感で言うところの4次元に入っていこうと思います。


5/27/2010

テンセグリティー その8

樹木の構造とテンセグリティー


樹木の構造は、セルロースリグニンそして放射状組織の三つの要素から成り立っています。
セルロースは木質繊維の細胞の骨組みを形成しています。繊維細胞の核となるのがセルロースで、曲げやたわみが可能で、非常に折れにくい管状構造です。木が曲がるとき一部の細胞は圧縮され、一部の細胞は引っ張られるかしますが、セルロースはその引っ張る力に抵抗する役目をしています。

一方、リグニンは樹木の自重から来る圧力や風雪で枝が曲がったとき繊維にかかる圧力に抵抗します。樹木の繊維であるセルロースを互いにくっつける・つなぐ役割をしています。
樹木を人間の体に例えると、「セルロース」は骨、「リグニン」は筋肉であるといわれています。
また、木をひとつのビルだとすると、「セルロース」は鉄骨であり、「リグニン」はその間をふさぐコンクリートにもたとえられています。

三つ目の放射状組織は樹の骨髄から樹皮に向って伸びていおり、幹にねじりや荷重がかかったときでも繊維が切れたり避けたりするのを防ぐ役割をしています。

参考文献:ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史
By ウィリアム・ブライアント・ローガン



樹木構造とテンセグリティーとのつながりが直感で見えてきます。
テンセグリティーの要素がよく人間の骨と筋肉にたとえられていますが、樹木の構造も同様にたとえることができそうです。
しかし、動物や植物もとなると鉱物も同様なのだろうかという疑問が直感で浮き上がってきます。
その点は後に追っていくことにして、ここでは植物に絞って見ていこうと思います。



植物の構造の三つ目の要素である放射状組織はセルロースの束のようなものです.
通常の固定型テンセグリティーでは何のたとえか分かりません。
しかし、テンセグリティーの要素は維持した状態で、形状を変容させていくことでそれが見えてきます。

一連の画像はテンション材の長さ(たとえれば量・力もしくはエネルギー)を一定にし、その端部の結合を緩めることでテンション材がすべり、テンセグリティーが折り畳たまれるさまを示しています。

この形態は6本の圧縮材から成り立っているパターンです。設計の核となるコアモデルは、上位概念にゾーン多面体が位置しています。
通常よく見かけるパターンですと、正六面体(これもゾーン多面体の範疇に入る)ですが、この画像では黄金比による菱形6面からなる6面体を核に設定しています。そのため最初の画像の展開した状態が幅に対して若干縦長になっています。
最後の画像は開いた上体を斜め上部から見たところです。

一連の折り畳み動作を繰り返している内に、植物の根から幹を伝わり上部へと流れるある種、視覚ではとらえることのできないエネルギーのようなものが感じられます。
たぶん植物のエーテル体と呼ばれているものでしょう。根から吸いあがる束状となったエーテル体が幹や枝を伝わり上昇し、最後には水平方向へと展開することで開花する花にたとえることができ、フラクタルが完結します。

4/20/2010

身体感覚による第三の構造(その2)

Luanne Rice; The Geometry of Sisters
甲野善紀氏は井桁理論の説明で平行四辺形を取り上げています。
第三の構造では、そのかたちは5角形でも6角形でもいいのです。

共通の特徴は、力の点を一箇所にしない、力点を分散させる骨組みなのです。ここがコツ(骨)なのだそうです。
このあたりを、今回は前回とは異なる身体感覚で説明したいと思います。

数人が集まって手を握り合い団結を誓います。
この場合、こぶしの上に重なるようにして手を載せて握ります。こうして拳による腕の結合がなされます。
拳の塊は人数分だけ大きくなり結合力もゆるくなります。




その下は、団結ではありません。互いに他の人の手首を握って輪を作っています。
こうして互いに握り合う、組み合うことで結合がなされます。この場合、結合する箇所は人数分となり、前者と違い分散されます。誰もが誰かを握ることで全員が結合しています。
これも団結の新しいシンボルになるかもしれません。

ここで、どちらの団結が強いのか比べてみましょう。この際友情とか感情は抜きにします。
特に、結合部の上部から重い荷重をかければ、すぐに想像できますが、明らかに拳の固まりの方は簡単にはずれてしまいます。

これを身体感覚から離れて構造に置き換えてみましょう。
その下の図が互い違いに組み合った構造で、第三の構造の典型例です。
6本の軸が互い違いに組み合っていますが、その接点は何らかの手段で結束なりして結合されているものと見なしてください。

そしてその下が、通常お目にかかるフレーム構造で、ここでは第二の構造と見なしています。
それぞれの力点には複数の軸が集中して、一見荷重を集中できそうですが、コア(核)が小さければねじ切れてしまいます。また引張りも同様です。そのため、のコア(核)は必然的に大きくなるか、小さくして強固にならざるを得ません。

前者は、複数の軸が互い違いに結合することで、軸の集まる中心に空間を作っています。
本来ならば、中心に集中しがちな荷重を外側に向けて分散する軸構成となっているのです。
それと同時に、この構成によって軸の受ける荷重は軸のしなりによって吸収されるしくみになっているのです。

一方後者のフレーム構造は、複数の軸より伝わる荷重が一点で相互に反発し合い成り立っています。
設計は比較的容易なのですが、荷重が軸材の端部に集中するため、中心のコアは複雑な形状になり強固な素材になりがちです。










4/17/2010

身体感覚による第三の構造(その1)

私は以前から第三の構造を語ってきました。構造様式・幾何学・建築を通じてです。
また時系列的には、その前段階にテンセグリイティーが位置していることを前回まで語ってきました。

今後も建築と関わりますが、これから個別のキーワードを通してより詳しく見ていこうと考えています。
たとえば、それはダヴィンチ・グリットやNexorades であったり、あるいはマルチ・レシプロカル・グリット(multi reciprocal grid)あったり、多軸体であったりします。

しかし、今回その出始めとして別の側面でも語ってみようと思います。
身体感覚を通しても伝えてみようと思うのです。

甲野 善紀氏の提唱する武術の運動理論に井桁崩しというものがあります。。井桁理論ともいいますが、この理論の言わんとするところは、身体にいくつかの支点を作る感覚なんだそうです。

実はその感覚が第三の構造と類似しているのです。
先ずは、その井桁理論の動画で見てみましょう


話を聞いても、井桁のモデルを見てもよく分からなかったというのが私の感想です。
たぶん氏自身も言葉では上手く説明しにくいのでしょう。
唯一、氏が強調していた、
  • 互い違いに動く
  • 同時並列的に動く
といった特徴に私は以前から惹かれていたのです。
構造は静止していますが、実際は重力や振動、その他自然環境の中におかれて動かされます。
振動を吸収するときに上記2つの特徴的な動きが第三の構造にも見られます。
次の動画を見ると、体の動きをともなって説明する氏の理論はわかりやすいです。
一箇所に支点を作って動くのではなく、支点を分散させて一斉に動くことで変化する身体の動きを
井桁にたとえているところです。

第三の構造とこの井桁理論には、ある箇所に共通の特徴があります。
しかし、その効果が井桁理論より導かれる身体運動と関係があるのかどうかまでは私には分かりません。今後、探求の進展如何でその答えが自ずと導かれることを期待しています。

3/30/2010

ジオデシック理論

テンセグリティーの変容を追うことで、軸組み構造という新たな展開となりました。
これからは、テンセグリティーに関する記述から離れますが、所々でまた触れるかと思います。

ところで、テンセグリティーの項ではジオデシック理論についてはほとんど記述しなかったので、ここで私なりに見解を付け加えておきたいと思います。

バックミンスター フラーのジオデシック理論
ジオデシック理論とは、幾何学的には球面をプラトン立体の規則性によって分割し、さらにそれを三角形に細分割するところにある、単純なアイデアです。 フラーは、主にこの2つの幾何を用いているのみでした。
端的に言えば、初歩的なプラトン立体を基軸にした別名、神聖幾何を球面に転写したパターンです。

あの、古典幾何学者コクセターに言わせると、フラーほとんど幾何学については初歩的な知識しか身につけていなかったそうです。 そのため、テンセグリティーの解析にまでは至らなかったのでしょう。むしろライバルのスネルソンの方が幾何学的解析能力には長けていたようです。 フラーはむしろ単純なアイデアを膨らませる能力には長けていたようです。

 
ちなみに、ジオデシック理論やジオデシックドームはフラーの発明ではありません。1922年ドイツ人のウォルター・バウアーフェルトがイエナのカール・ツァイス社の屋上にジオデシックドームを建設しています(左の写真)。
フラーは1950年代になって初めて特許を取得しています。

その右の写真は、フラーとジョージ・サダオによるモントリオールEXPO1967アメリカ館です。
私個人としては、フラーのアイデアを膨らませる能力については学べきことが多いと思っています。
しかし、フラードームに関しては、構造的に決して効率が良いとはいえないので。現在ほとんど興味の対象外となっています。
重力以外、多方向から荷重がかかる条件下では最大に力を発揮するものだと思います。

球形はどうしても横圧力が側面にかかり、サイドの構造をかなり補強しないと持たないものです。あのローマのパルテノンほどではないにしても、EXPO1967のアメリカ館はかなり見えない箇所で骨材の肉厚を調整しているそうです。

この点、無理に球形にこだわらなくても良いのではないかと思います。デザイン的には単一の形態以外の何ものでもないので、自由度が低い点どうしてもこれにこだわる理由が薄れてきます。
その点、効率云々でいうなら、私はむしろアントニオガウディーの主張するフニクラ構造の方に惹かれます。

後に続く軸組みの構造でもこのジオデシック理論について若干触れる予定です。

3/19/2010

テンセグリティー その7

テンセグリティーからの脱皮 
前回、テンセグリティーの変容を断片的に取り出しました。
できれば、その変容する過程をアニメーションで示すことができれば理想的です。
そうすれば、テンセグイティーの無限大に循環する過程が視覚的に理解できます。

しかし、私にはそんなスキルはないため、その一連の変容を絵図で用意しました。
イギリスで構造を研究しているオリバー・ヴァベレル氏の論文からです。
文献は2007年「Nexus Network Jounal]の281ページから298ページです。

タイトルのNexoradesとは、軸組みの構造の古い呼び名だそうです。
ここでは、今のところ混乱を避けるためその呼び名はとどめ、単に軸組み構造としておきましょう。
そのヴァヴェレル氏が、プラトン立体の双対関係における変容を軸組み構造で示しています。

研究の内容は1997年ですからかなり以前となります。既にこのころから、”100匹目のサル”にたとえられますが、各所で類似した内容が出始めています。
私の情報では、やはり欧米の方がこの手の研究は進んでいます。

さて、注目すべき一連の図で、最初に出ているのは289ページの図20~図28です
全部で9図あり、最初の図20が正20面体を示していることは明確かと思います。それぞれの頂点は軸が回転してずれており、中心に空間があります。
変容は徐々にその軸を太くすることで頂点にあたる三角形の空間が広がっていきます。
それに対し、五角形の大きな空間は逆に小さくなっていきます。
この場合軸は太くはなっていきますが、見やすくするためその長さは省略してあります。




図25では、既に三角形の空間が五角形の空間を押し縮めています。
この時点で図の大きさは同じですが、その軸はかなり太くなっており、全体の大きさは相対的にかなり大きくなります。
逆に、軸の太さを一定の設定にした場合、全体の大きさは相対的にかなり小さくなります。

後者の方がより自然に感じます。別の言い方をすれば、図20の時点で軸が互いに中心に向って回転しながらずれていくので、全体は徐々に小さくなっていくのです。
ここでは取り合えず、先の設定で話を進めましょう。

図25の時点で軸の太さは限界に達します。これ以上軸を太くしても同じ構成となります。
ちょうど五角形と三角形の空間がつり合っているからです。
変容のニュートラルな状態です。


三角形をより大きくするには、この時点からは軸を細くしていきます。
図26になると正20面体が見えてきます。そして最後の図28でほぼ完全にフレームワークの正20面体となります。

このまま軸を限りなく細くしていくことで、ユークリッド幾何の世界に入っていきます。
そこでは三角形が限りなく平面で、頂点は限りなく点に至っています。
しかし、この軸組み構造の発想の下では、三角形の空間や頂点の微小な空間はねじれ、回転しているのです。

現実の空間と言っても、量子の世界においては、このような空間に近いのではないかと直感的に思うのです。まさか平面のように思われる空間が真平らであることは自然界にはありえないからです。

残りの2つの双対関係にある立体も、この軸組み構造の下、互いに変容することが後の図で示されています。正四面体は、それ自身上下逆さになることで双対を繰り返しています。

次回、テンセグリティーを離れ、この軸組み構造に入っていきましょう。
かなり広範囲に及ぶため、できれば最初の段階で具体的な方向を示すことができれば良いかと考えています。




3/13/2010

テンセグリティー その6

テンセグリティーの変容
テンセグリティーの細い圧縮材と張力材からなる形態をおもいきって変化させてみましょう。
そうすることで別の側面が見えてきます。

これは、非ユークリッド幾何への入り口だと思います。
この幾何学は、現時点で、その名のとおり非日常的空間と、思っていただいてかまいません。
しかしこの空間意識は、ユークリッド幾何のそれより、より自然に近い解釈だといえます。
その点は別の機会にお話しましょう。

変容のもっとも典型的な例から示していきましょう。
前々回扱ったテンセグティーのモデルです。
単純な方から行きます。

プラトン立体の正4面体が変化する中間に位置するテンセグリティー。
そしてその下の図は、その圧縮材をかなり太くしていった形態です。
張力材はまったく無視します。ここでは空間のイメージを優先しましょう。


テンセグリティーが転がって写っているため、その変容した形態との位置が若干ずれ、各要素の構成がつかみにくいかと思います。

次は、正6面体と正8面体とが互いにかたちを入れ代わる中間に位置するテンセグリティー、
そしてその圧縮材を太くしていった例です。


これも若干位置がずれていますが、同調するところを見つけるのは平行する3本の圧縮材です。
やはり、同じ位置で写っている写真を用意すべきでした。
しかし、何とか同調している様子が把握できればと思います。

最後は、正12と正20面体の双対関係の中間に位置するパターンです。


これも同調を判断するポイントがあり、平行に位置する5本の圧縮材を見定めます。

以上、基本を示してきましたが、その中でポイントとなる点がありました。
それは平行に位置する圧縮材です。
それぞれ本数が異なり上から2本、3本、5本となっています。
お気付きの方もいるかと思いますが、他の構成材も同様に平行の構成に組み込まれています。
これが変容のちょうど中間に位置する目印となります。

次回、この変容をより具体的に見ていきましょう。
一連の変容を示した文献があり、参考になるかと思います。
この研究は、すでに前世紀の末に始められたので、私の情報では比較的新し方です。

この一連の変容によってプラトン立体の本来の形態が見えてくることになります。
それによってユークリット幾何の限界が目に見えるかたちで認識されるものと察します。
ひいては、それが皆さんにとって、空間の非日常的な認識へと至る入り口になればと願っています。

3/03/2010

テンセグリティー その5

テンセグリィーのゆらぎ

下の図は、プラトン立体の双対関係を示しています。ユークリッド幾何学では、ここで示された相対する立体は2つに明確に分かれています。
しかし、テンセグリティーによって形作られた相対する立体は、その変容過程の両極に位置しています。

そして、前回示したテンセグリティーのモデルはその変容過程のちょうど中間に位置しています。
この図では、その変容過程を無限大の流れで示しています。
前回提示したテンセグイティーモデルが、相対する2つのプラトン立体の間の中間に位置しているとは言っても、その前後を提示しなければ、それをイメージするのは困難です。

もちろん、そのモデルを提示することはできるでしょう。
しかし、テンセグリティーの軸は、軽量化のため細く、軸が多いと複雑に見え、さらに理解に苦しみます。
また、線材と軸材の長さによってその形が変化するため、ゆらぎの変化が読み取りにくくなっています。

そのためここでは、皆さんにその軸をかなり太く変化させた形態を提示し、新たな取り組みを行なってみようと思います。
それによって、このゆらぎを思考で感じることができれと思います。
その形態とは、テンセグリティーを進展させた軸体、もしくは多軸体といわれるものです。


テンセグリティーの進展

これからお話していく軸体・多軸体とは、広くは軸状の材による構成をいい。多面体に対応することのできるものを多軸体といいます。
この多軸体を命名された方は、岡 利一郎 (OKA Reachlaw)と川本 昌子( KAWAMOTO Masako)の両氏です。


また軸体カテゴリーに入るものは、テンセグリティーはもちろん、マルチ・レシプロカル・グリット(multi-reciprocal grid)やダヴィンチ・グリッド等がありますが、今後必要に応じて取り上げていきたいと思います。より詳しくは、私のウェブサイトをご覧ください。

なお、この軸体はユークリッド幾何学とは相容れない点があるため非ユークリッド幾何学のカテゴリーに入るといっても良いでしょう。

次回、具体的な変容の過程を多軸体の模型を参考に示していきたいと思います。



3/01/2010

テンセグリティー その4

テンセグリティーとプラトン立体



プラトン立体(正多面体)は、一見単純そうに見えるのですが、
奥が深く、派生する立体を理解し、本質的に使いこなすにはかなり年季がいるものです。
またこの立体の幾何学的考察は、自然科学や芸術、はては精神世界の分野にまで登場し、神聖幾何学という名称を付けられています。

では、一旦前回説明した領域に立ち戻ってみましょう。
テンセグリティーをこのプラトン立体で掘り下げてみようと思います。
そうすることで、ある規則性が現われ、その規則性が他の要素と結びつくところまで展開できればと考えています。
これによって新たなデザインの領域が見えてくることを望んでいます。

プラトン立体は5つありますが、それはユークリッド幾何の見方によるものです。
テンセグリティーはの見方によれば、プラトン立体は実際、三つに集約されます。その点は段階を踏んで触れることにしましょう。

とりわけ現時点では大切な目標をを絞っていこうと考えています。
それは、テンセグリティーによってユークリッド幾何学の呪縛から開放されることです。


最初のテンセグリティーは軸材が6本によるものです。
前々回でも扱いましたが正4面体に対応するものです。
これはいたって簡単に識別できます。正4面体をなす辺は6本です。
その辺を軸材にして、空間上を互いにずらしていけばこのような軸の構成となり、現実的に見せようとすれば針材で相互に結びつける事でこのようなテンセグリティーとなります。




次は軸材が12本からなるものです。正6面体もしくは正8面体に対応するものといわれています。
正6面体をなす辺は12本、先と同様に辺を抽出して空間上で回転するようにずらしていけばこのようなテンセグリティーとなります。
しかし正8面体をなす辺も12本で、同様にずらしていくとこのよなテンセグリティーになります。
もちろんその際に、線材の長さはそのつど変化します。



ここでプラトン立体の双対関係をご存知の方ならば、おおよそ直感で気付いたかも知れません。
テンセグリティーは、双対関係にある2つの立体の間に無数に存在しているゆらぎのような状態です。

3番目の軸材30本からなるテンセグリティーも同様です。
正12面体正20面体の間を行ったり来たりする状態を示しています。



5角形を形成する空間を可能な限り広げることで正12面体に近づき、逆に5角形を限りなく小さくすることで正20面体に近づきます。



最初に示した正4面体は自分自身で双対関係にあります。
ピラミッドの上下をひっくり返した2つの体がよくその図で示されていますが、何か神聖幾何学でいうところのメタトロンとかいう状態を示しています。


テンセグリティーの出現まで、プラトン立体には示すことのできない形が長い間封印されてきたといってもよいでしょう。
この点は、ユークリッド幾何学の限界が露出しており、時代が徐々に本質的な形態の探究に向ってきた現われだと思います。 私が学生のころ(1980年代初頭)はまだ、テンセグリティーの存在を知りませんでしたが、彫刻を学んでいたこともあって、ロシア構成主義のナウム・ガボあたりにかなり影響を受けました。

この人の作品には、かなりユークリッド幾何に対して戦いを挑んできた跡がうかがえます。非ユークリッド幾何学の誕生したお国がらでしょうか。


余談になりましたが、次回は本日述べた”ゆらぎ”を追っていこうと思います。
その中での重要な位置があり、それを示していこうと思います。
その位置が、テンセグリティーのまた別の展開を見せることになります。

2/24/2010

テンセグイティー その3

テンセグリィーの現状例

テンセグリィーの概念は、今やフラーやスネルソンを離れかなり広がりを見せています。
たとえば、以下のサイトで示されている様な生態学的な研究の成果です。
もちろん、ドーム建築への適用はフラーの直弟子といわれる梶川泰司氏によって、引き継がれています。
フラーの影響が強いせいもあって、その幾何範囲は、プラトン立体を基点とするジオデシック幾何(球面幾何)の範疇に収まっているように見受けられます。
しかし、彼の特許文献で示された、折り畳み式展開可能のジオデシックタイプのテンセグリティードームの発想は、フラーでは出来なかったドームを発展した点で大変評価できると思います。
梶川泰司によるテンセグリティーモジュール

それによるテンセグリティードーム

テンセグリィーの分類

さて、これから示していく方向をざっと明確にしていくため、右のようなシェーマ図を描いてみました。
テンセグリティーにも色々あり、プラトン立体を中心にすると以下の様な関係となり、A,B,Cの三つに大別できます。


Cは、上位概念に含まれるもので、場合によってはテントやマストといった類も含みます。
Bは、球面幾何によって形作られるもので、ジオデシック理論によるドーム型のタイプです。
Aは、テンセグリティー模型でよくお目にかかるもので、プラトン立体に準じるものです。これについては後に紹介しましょう。

説明を加えますと、先ほどの最初に取り上げた生態学的なものは、ほとんどCに含まれるといってよいでしょう。

フラーや梶川氏のジオデシック理論による球形やドーム型のドームなどはBに入ります。

また、両者は正多面体を基にその連続体も試みているので、それらはAに入ります。

もとより、ジオデシック理論は球面を正多面体の性質を利用して分割しているのでA+Bに入れてよいでしょう。

ケネス・スネルソンはBを抜かしてAにおいて連続体に挑み、Cにおいては、正多面体の呪縛を逃れ、飛躍した展開を見せています。

いずれにせよ、Aの領域はプラトン立体の呪縛が強いため、デザインへの技術転換は容易ではありません。この手の領域を扱うデザイナーの第一の難関です。

フラーにせよ、スネルソンにせよ、何らかの要素を原基であるプラトン立体に持ち込み変容させてきました。
フラーの場合、それが球面幾何であり、スネルソンの場合は独自の造形力と解析方法を編み出した点にあります。

ここで開示していく内容は、両者に共通する点もありますが、まったく異なる方法によるものです。
それは、プラトン立体をより深く掘り下げることで見えてきます。

次回、テンセグリティーとプラトン立体の関係に入っていきたいと思います。

2/13/2010

テンセグイティー その2


テンセグリティーへの入口


本格的なテンセグリティーといえば、軸材と線材が複雑に張り合って形がつかみにくいものがほとんどです。
実際に面からなる立体とはかなり違い、感覚的についていけないものが多くあります。
しかし、そのような複雑なものでも、ごく単純なパターンの繰り返しであったり、バリエーションの組み合わせだったりするものです。

そこで先ず、単純なところから入っていこうと思います。
テンセグリティーの上位概念から入っていきましょう。
この時点で明確な定義は必要ありません。
その単純な例に弓があります。
弓は、弦の張りと弓本体のしなりという2つの要素が一つになることで成り立ってます。
この弓の弦にもう一本の別の弓の端をつなぎ、このパターンを繰り返して三角形を作ってみます。
こうすることで三角形の面にあわせたパターンができます。こういったのを一つの単位とみなしてモジュールと呼んでます。
このモジュールをつなげて骨組みをつくろうなどと考えれば弓では柔軟すぎて何も支えれません。

そこでヨットのマストとロープの要素を取り出して同様に考えて見ましょう。
マストの端をロープに固定し、ずれないものと仮定します。
このようにしてできた三角形は弓よりかたちを保ちやすいですが、このモジュールだけではぐらつきます。

平面がそれ自身で自立しないのと同様このモジュールも床に倒れたままです。立体にならってつなげて行けば自立して崩れない骨組みを作ることができるはずです。

三角形で出来るもっと単純な形の正四面体を選んでみましょう。
この立体の面にあわせて先のモジュールを置いていきます。
立体の場合、それぞれの面が隣り合う面と辺を共有しています。
同様に、テンセグリティーもそのマストを共有しながら連結していきます。
一つの辺を共有して二つの面が連結するのと同様、一つのマストを共有して2つのモジュールが連結します。
したがって、一つのマストには必ず2本の張り材が張られ、2本のマストが左右から重なり合います。
この性質は、テンセグリティーのもっとも知られた形態、すなわちフラーやスネルソンが行なった形態に共通の特徴です。

さて、このモジュールを引き続き正四面体にならってつなげていきましょう。
かなり面の場合と違って、からみがちになりますが、手順はワンパターンです。
これは手元で模型を作る際には紐の変わりに輪ゴムが適しています。


右のようなマストの構成ができます。相対するマストがそれぞれ平行に配置してます。
この場合、マストとロープの長さはある程度直感で導くことができます。
それにはある規則性がありますが、この段階ではそれについては触れる必要はないでしょう。。
それぞれの長さなどは適当に調整すれば骨組みの強度は保たれるのです。

スネルソンもフラーもこの段階から入っていきました。
試行錯誤と直感で望んでいったことでしょう。
フラーのテンセグリティーの特徴はこのモジュールをジオデシックドームに習って構成したことです。
一方、スネルソンは立体にはならっていますが、立体をゆがませる計算を発見したといってよいでしょう。
フラーは結局規則性が見つけられずにいたのではないかと思います。
テンセグリティーをジオデシック球に展開していくとテンセグリティーの規則性が見つけにくいのです。

次回、何とかその規則性の方向に話の流れをもって行きたいと思ってます。

2/07/2010

テンセグリティー その1

 テンセグリティーといえば、フラーや彫刻家のスネルソンが手をつけていたことで知られてます。
どちらの発明かというと、正確にはスネルソンが始めてフラーが触発され、発明・公認好きのフラーが特許登録しています。だからかなり法的に争っていたようです。
私は、スネルソンの方がテンセグリテーの専門家だと思う。実際作品がそれを語っている。しかも彼はそれをランドスケープに限って展開していました。
一方、フラーの方は具体的な構造物として実現してはいなかったようですが、実験や著作による思想性が後の人に影響を与えた様です。

そのテンセグリティー、一般には分かりにくい。しかも建築や構造以外に医学の分野でも取り上げられ人体と関係があるらしい
私のサイトにもテンセグリティーを探しに来る人がかなりいる。
しかし実際、触れる程度の内容です。
そこで、今後しばらくはテンセグリテーとは何かについて具体的に示そうと思っています。
なぜなら、それは構造の通常と異なる概念であり、今後触れることになる第三の構造を変容したものでもあるからです。それに、その内容は他にも異なる分野で役立つような気もするのです。

ジャコメッティという彫刻家がいて、人体を極限まで細くすることで人の本質を見い出そうとした作家がいます。第三の構造については、まだその全容まで示してませんが、同様に極限まで細くすることでその構造の本質というか別の面が見えてくるようにも思うのです。

次回、模型と絵図で説明できたらと思っています。