6/10/2016

ダヴィンチドームの広がり

「1年の喜びを得たいならば花を植え、10年の喜びを得たいなら木を植えなさい。そして永遠の喜びを得たいならアイデアを植えなさい」

私はこの格言にいままで忠実に従ってきた。

三番目の永遠の喜びを得る為のアイデアの種が植えられたのは16年前にさかのぼる。


そこから10年、ダヴィンチドームはこの主要なアイデア本流から枝分かれしてできた亜種のようなものである。

すでに取り掛かってから6年は経っているが、いまだ完璧には至っていない。
 
私としては骨組みだけの状態は居住目的のドームとしては実用に適しておらず、システム化された外装とセットで完成とみなしている。
それでもマニュアルの販売は行なっているが、購入した人が何に用いているのか大半はわからない。
早いところ完成しなければと思っているので、今年こそ終わらせたいものだ。

海外からの問い合わせは今までいろいろな国からあった。
自動算出データ以外にマニュアルは日本語だが、
英訳にする余裕も無いので、そのまま送っている。
それでも説明図や画像を頼りに組み立ててしまう人たちがいる。

これはその一例で、ベルギーのある都市の広場で行なわれたイベントで用いられたものだ。

Location: Kortrijk,  Belgium

https://www.facebook.com/diepmassief
http://www.diepmassief.be/project/16



下のほうは、スペインバルセロナ北部で試みられたもの。
こちらはデータを送ってはいないが、私以外にもう一人の人からも影響を受けてアレンジしたドームだそうだ。
Location:Tavertet, Barcelona,Spain
http://coda-office.com/work/Panikkar

..Inspired by the great work of Alison Grace Martin and Hiroshi Murata, we started developing both synclastic and anticlastic topology variations. The final prototype was a synclastic dome made of 42 identical strips each one with the same length and distance between holes...

こうしてみると、種が飛ばされて各地でそれぞれの目的に応じて変容や交配が行なわれていっている。
たぶん、今後それらに影響を受けた新たな人々が更なる改良・新たなるアイデアを加えて行って、『用の美』からでなく『美の用』から来るべき時代の用途を独自に見出して行ってくれるに違いない。
そうなれば私にとってもこの上ない喜びとなる。