6/30/2023

古代ローマの建物はなぜ長持ちするのか、科学者が謎を解明

 私は5年ほど前より古代コンクリート(またの呼び名をローマンコンクリート)を調査・研究・試作してきました。

現在使われているコンクリートは出来て数十年後からに徐々に劣化していきます。
それに対し、ローマンコンクリートは出来て数十年後からさらに強度を増し数千年から数万年もつといわれています。
私はこの両者がまったく間逆の性質を持っている点に疑問とエコロジカルな関心を持ちました。
また今日ローマンコンクリートが使われなくなった背景を知ることで、それを再現し実用化するにはどうすればよいかと考えるようになったのです。

今日寿命の短いコンクリートが使われている背景には医療産業やエネルギー産業同様に従来の産業の維持にあります。また医薬品として十分すぎるほどの価値あるものを一般大衆が手にしないようにあえて意図的に犯罪対象にされてきた大麻にもどこか共通する点があるのを感じずにはいられません。

今日このローマンコンクリートはローマ以外にさかのぼることエジプトのピラミッドやアジアの国々、さらに日本の縄文時代にも使われていたのではないだろうか言われています。
そこで私は呼び名を包括して以下、古代コンクリートと呼ぶことにしました。

2017年、古代コンクリートの主要な原材料が解明され発表されました。それ以降多くの人が関心を示してきたのでしょう。
最近それに応えるかたちでCNNが科学的なエビデンスも掲げて記事を書いてます。

https://www.cnn.co.jp/style/architecture/35200239.html
以下、全文連載

古代ローマの建物が長持ちする「謎」を解明したとの研究が発表された

古代ローマの建物はなぜ長持ちするのか、科学者が謎を解明

古代ローマの建物が長持ちする「謎」を解明したとの研究が発表された/Emmanuele Ciancaglini/Getty Images

古代ローマの壮大な建造物は、何千年も存在し続けている。これはコンクリートの使い方を極めた古代ローマのエンジニアたちの創意工夫の証しだ。

しかし、彼らが使用した建設資材は、パンテオン(世界最大級の無補強のドームを有する)やコロッセオといった巨大な建造物を2000年以上も存続させる上で、どのように役立ったのか。

「ローマン・コンクリート」と呼ばれる古代ローマのコンクリートは、多くの場合、現代のコンクリートよりも長持ちすることが証明されている。現代のコンクリートは数十年以内に劣化することもある。古代ローマ人はいかにして建設資材をそれほど長持ちさせ、波止場、下水道、地震帯といった建設が困難な場所に複雑な構造物を建設できたのか。ある最新の研究を行っている科学者らは、それを可能にした謎の材料をついに発見したと主張する。

米国、イタリア、スイスの研究者らも参加するその研究チームは、イタリア中部に位置するプリベルノの遺跡の城壁から採取した2000年前のコンクリートのサンプルを分析した。このサンプルは、ローマ帝国の至る所で見られる他のコンクリートと配合が似ている。

そして分析の結果、コンクリートに含まれる「ライムクラスト(石灰の塊)」と呼ばれる白い塊が、時間の経過とともに生じる亀裂を修復する能力をコンクリートに与えることが分かった。それまでこの白い塊は、混ぜ合わせ方がずさんだったり、原料の品質が悪かったりした証拠だとして見過ごされてきた。

「古代ローマ(のエンジニアたち)は、資材の選択や処理を極めて慎重に行っていた。そんな彼らがずさんな仕事をするとは信じ難かった」と語るのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の土木・環境工学の准教授で、この研究論文の著者でもあるアドミール・マシック氏だ。

「(古代ローマの)学者たちは(コンクリートの)正確な作り方を書き留めて、それを(ローマ帝国中の)建設現場に押し付けていた」とマシック氏は付け加えた。

この新たな発見は、今日のコンクリート作りをより持続可能なものにするのに役立ち、さらに、かつてローマ人が行ったように社会を一新する可能性も秘める。

マシック氏は「コンクリートがローマ人の建築革命を可能にした」と述べ、さらに「(コンクリートのおかげで)ローマ人は多くの都市を建設し、それらを美しく、素晴らしい住環境に変えることができた。そしてこの革命により、人間の生活の仕方が一変した」と付け加えた。

コロッセオを訪れる観光客=2019年6月/EyesWideOpen/Getty Images
コロッセオを訪れる観光客=2019年6月/EyesWideOpen/Getty Images

ライムクラストとコンクリートの耐久性

コンクリートは、基本的にセメントを混ぜ合わせて作った人工の石または岩石で、セメントは、一般に石灰石、水、細骨材(砂や細かく砕いた岩)、粗骨材(砂利や砕石)で作られた結合剤だ。

古代ローマ時代の文献には、セメントに消石灰(石灰に水を混ぜて熟成させたもの)が使用されていることが示唆されていた。そのため学者らは、ローマン・コンクリートはこの消石灰を主材料として作られていたと考えていた、とマシック氏は言う。

しかし、さらなる研究の結果、ローマン・コンクリートにライムクラストが発生した理由は、コンクリートを混ぜ合わせる際に、消石灰ではなく、または消石灰に加えて、生石灰(酸化カルシウムとも呼ばれ、非常に反応しやすく、危険性の高い、乾燥した石灰石)を使用したためだと研究者らは結論付けた。

またコンクリートのさらなる分析の結果、生石灰を使用することにより発生すると見られる超高温下で形成されたライムクラストと、「ホットミキシング(超高温下でコンクリートを製造する手法)」がコンクリートの耐久性を高める鍵であることが明らかになった。

マシック氏はプレスリリースの中で「ホットミキシングの利点は二つある」とし、次のように続けた。「第一に、コンクリート全体を高温に加熱すると、消石灰のみを使用した場合には起こりえない化学反応が可能になり、他の方法では形成されない高温関連化合物が生成される。第二に、この高温により、すべての反応が加速されるため、(コンクリートの)硬化時間が大幅に短縮され、はるかに迅速な建設が可能になる」

研究チームは、ローマン・コンクリートの明らかな自己修復能力の原因がライムクラストなのか否かを確かめるため、ある実験を行った。

彼らはコンクリートのサンプルを二つ用意した。一つは古代ローマの製法に従い、もう一つは現代の基準に従って作り、それらに意図的にひびを入れた。2週間後、古代ローマの製法で作ったコンクリートは水を通さなかったが、生石灰を使わずに作ったコンクリートの塊は水を通した。

この研究結果は、ライムクラストは水に触れると溶けて亀裂に流れ込み、再結晶して、風化によって生じた亀裂が広がる前に修復することを示唆している。研究者らは、このライムクラストの自己修復能力は、従来のコンクリートよりも長持ちし、それゆえ持続可能性の高い現代版コンクリートの製造への道を開く可能性があると指摘する。同研究によると、自己修復能力のあるコンクリートの使用は、最大で世界の温室効果ガス排出量の8%を占めるコンクリートの「カーボンフットプリント」の削減にもつながるという。

研究者たちは長年、ローマン・コンクリートがそれほど丈夫なのは、ナポリ湾沿いのポッツオーリからの火山灰が原因と考えていた。この種の火山灰は、建設に使用するために広大なローマ帝国の各地に輸送され、当時の建築家や歴史家の説明の中でもコンクリートの重要な材料と紹介されていた。

マシック氏は、(石灰と火山灰は)どちらも重要な成分だが、石灰はこれまで見過ごされていたと語る。

この研究は、米科学誌「サイエンス アドバンシス」上で発表された。


合わせて読んでおきたい

6/29/2023

古代コンクリートたたき(一層目)



2023年6月29日

一層目 古代セメントによるコンクリート敷
基礎固めの上にコンクリートを敷く。
セメントと骨材の比率は 通常のコンクリート 同様に 1対5で試みる。
1層目の前半はモルタルでやってみたが、厚さ5cm だと粘土成分が高いため 亀裂が入った。
古代 セメントは 『たたき 』よりも 硬化度が高くなるため、通常の コンクリートの構成比率と同様の扱いで良いのではないかと思う。
一応 『たたき』と同様に厚み10cm を取ってみたが、何層にも分けて叩いて固めるわけでもないし、通常のコンクリート 同様に硬くなるのであればこれほど深い 厚みを取らなくても良いのではないかと思う。
それでも 10cm も取ってしまったので、2層目は細目の砕石と 小粒の軽石を多めに入れ、3層目で 粘土と砂を骨材とみなしたモルタルで仕上げて行く予定である。
セメントと骨材の比率は 通常のコンクリート 同様に 1対5で試みる。

均一になるよう、よくかき混ぜる

海水を注入して均一になるように捏ねる




火山灰の天日干し

 天気が良いので火山灰の天日干し

火山灰 と言っても色々あって、この地方で取れるものはベントナイトと言われているもの。
さらにベントナイト にも 2種類あって、国産のベントナイトで有名なのは山形・ 新潟のナトリウム ベントナイト 、別名 ナトリウム モンモリロナイト。水を吸うと膨張するのが特徴。
こちらのは カルシウム ベントナイトと言って別名 カルシウム モンモリロナイト。水を吸っても膨張しない。
カルシウム分を含んでいるので NASA がかつて宇宙食に採用したそうだ。あそこも怪しい組織 なので 真偽は分からない。
どちらも水分をものすごい速さと量で吸収する。乾燥したものを水に入れると音を立てるほどだ。
ベントナイトの特徴は 吸収・ 吸着能力が高いので水を吸うことはもちろん 、油・汚染水 ・原発から出た放射性廃棄物の吸着 など浄化作用が高い。
目に見えない 電磁波・放射線・悪臭 まで 吸収するのでこれをお風呂に入れる クレイバス(入浴剤)は健康意識の高い人なら知っているだろう。
目に見えない量子レベルのものまで吸収するので除霊にも効果があるかもしれない 。
まだまだ未知の領域だ。
その能力の秘密はケイ素にある。
火山灰を構成している主要な成分は多孔質のガラス= ケイ素で小さな穴がたくさん空いている。
その様子は スポンジだと捉えると分かりやすいだろう。
だが実際は スポンジ以上だと言える。
ベントナイトを水につけるとその体積の約8倍を吸収するからだ。
材木でさえ 0.6から1.5 倍なので驚異的な吸収力である。



6/19/2023

2017年に古代コンクリート(ローマンコンクリート)の主要な原材料が解明され発表されました。
私もそれに注目し、それ以来実験と検証を重ねてきました。
当時は情報も限られておりましたが、最近では続々と関連動画が出回っていてしかも完成度の高い情報となってます。
この動画では、そのコンクリートの特性である自己修復機能について話されています。
膨張と修復で生じた亀裂をコンクリート自身が自ら塞ぐところなど驚きのメカニズムを語ってます。

6/14/2023

古代コンクリート(ローマンコンクリート)の再現Ⅰ

 古民家の土間や縁側に使われてきた、『たたき』、私はこれを古代コンクリートで再現する試みを始めることにした。

私の長年にわたる古代コンクリート再現プロジェクトもようやくこれで終盤を迎えようとしている。

たたき、は漢字で『三和土』と書かれ、粘土に消石灰に苦汁を混ぜて固めた和製コンクリートのことである。

そのメリットは、
・湿度を調整する効果があるため、空間の湿度を快適に保つ
・断熱性があり、冬は暖かく夏は涼しい省エネ効果がある
・化学成分を使わないため安心
・滑りにくく、セメント等に比べて足への負担が少ない
・人の手で作られたぬくもりや自然な風合いがある
またデメリットの方は、
・作るのに人員と手間、時間がかかる
・コンクリート等に比べて水に弱く、強度や耐久性に劣る
・経年変化で表面にデコボコが出やすくなる

このデメリットを補うために古代コンクリートを使ってみようと考えた。古代コンクリートは『たたき』のメリットを有しつつもそのデメリットを補ってくれるからである。
実はこの古代コンクリートはエジプトのピラミッドのブロックのつなぎ目1mmにも使われており、ローマ時代にも使われてきたことから『ローマンコンクリート』とも呼ばれている。
その後ヨーロッパやロシアの巨大建築物にも使われてきたが、産業革命移行、現在のコンクリートが出現することで、徐々に使われなくなっていった。
現代においてその原料や調合方法のレシピは完全に失われ、不思議なことにそれを伝えるべき職人もいなくなってしまった。
この素晴らしい技術がなぜ失われたのだろうかとよくよく考えた結果、これもデープステートによって抹消されてしまったのだと考えると納得がいく。
なぜなら、この技術から出来る建造物は水や海水にも強く、それどころ海水に漬かるほど強度を増し、千年を超える耐久性を持っからである。
現代のコンクリートと比較するとその特徴は何もかも真逆であることから、地球環境を長い時間かけて悪化させることを知っている存在がそれを推し進めてきたとしか言いようがない。



テストピース
左は『たたき』の材料で3年前に作ったが、屋外放置ですでに劣化。
右は古代コンクリート。半年前に作って屋外に放置。
硬さは現代のコンクリートとほぼ同じ。
あと3年後に結果が明確になるだろう。