第三の構造で、ジオデシックドームを形成することも可能だ。
すでに10年前の冬から春にかけ数点の試作をつくったことがある。
その設計原理はゾーン多面体を核模型とするゾーン多軸体構造であるが、このときはかなり高度な技術を使った。通常のゾーン多軸体はゾーン多面体に対応するため形態は様々であり、完全に球状ではない。
球面に内接するゾーン多軸体を作るには、ゾーン多面体自体を球に内接するようにすれば良い。しかしゾーン多面体幾何学の原理からそれは厳密には不可能だ。
だが、ゾーン多面体の大原則であるゾーンという原理は残しておいた。これによって変容が可能となるようにである。
その設計原理はゾーン多面体を核模型とするゾーン多軸体構造であるが、このときはかなり高度な技術を使った。通常のゾーン多軸体はゾーン多面体に対応するため形態は様々であり、完全に球状ではない。
変容形:二つの座標軸に沿って形態を拡張 Transformed type: one forms extended along two axes |
そこで、当時私は球に内接する変容型のゾーン多面体を設計した。ゾーン多面体の原則:各面の相対する辺は平行であり等しい・各面の対の辺は等しい、からは離れた。
球に内接する変容形のゾーン多面体 色付けされた箇所はゾーンを示す Transformed Zonohedron that inscribe in a sphere The colored areas show the Zone |
その後10年間、私はこのジオデシックを展開することにさほど興味が失せていた。それよりもゾーンによる展開を進め、有機的で造形的な建築をシステム化することに時間をかけたかったからである。
その間、試作と技術的・歴史的な検証を進め2008年に特許申請を行ない、ようやく今年の5月に特許登録となった。
それはさておき、現在私は今回の災害3.11の影響で2012年問題が早まっているのを感じている。しかも災害直前にダイアナ・クーパーによる「2012年とその後」を読み終わったところであった。
その内容によると、今後の急速な変化(進化)の中で政府は機能しなくなり変わりに共同体(コミューン)が社会を形成していくことになるそうだ。
私にとって今後取るべき方向を思案すると、早急に共同体(コミューン)を形成するための新たなるヴィジョンが浮かんできた。
新たなるジオデシックドームの開発である。
ジオデシックのシンプルな形態と多軸体の容易な施工がこの激変期を乗り越えることができるような気がするのである。
ジオデシックのシンプルな形態と多軸体の容易な施工がこの激変期を乗り越えることができるような気がするのである。
ただし、前回試作した方法は高度すぎて、この激変する時期においては荷が重過ぎる。よってゾーンの原理など使わない、まったく球形の単独形態でいこう。
そこで、設計原理はこうだ。
球面の大円と小円による構成から球面分割し、これを基に球面に沿った多軸体構造にする。厳密に言えば、球面に沿うわけだから互い違いに構成する軸構造、すなわちレジプロカル・フレームの様にはならず、むしろより広い意味で第三の構造によるものと言って良い。
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