【主な特徴】
高い耐久性と長寿命: 現代のコンクリートの寿命が50~100年程度と言われるのに対し、ローマンコンクリートで造られた構造物は2,000年近くにわたりその強度を保っています。
自己修復機能: ローマンコンクリートにはひび割れを自ら修復する機能があることが、近年の研究で明らかになっています。製造時に未反応の生石灰(酸化カルシウム)の小さな塊が残り、そこに亀裂が入って水分が侵入すると、石灰が溶け出して化学反応を起こし、炭酸カルシウムを生成して亀裂を埋めるという仕組みです。https://lab-brains.as-1.co.jp/enjoy-learn/2023/01/43522/
水中での硬化: 火山灰(ポッツォラーナ)と石灰を混ぜることで、水中で硬化する性質を持ちます。この特性は、港湾施設や橋脚などの水中構造物の建設に不可欠でした。
現代のコンクリートとの違い: 現代のコンクリートがカルシウム系バインダーを用いたポルトランドセメントであるのに対し、ローマンコンクリートは火山灰と石灰が主成分であり、アルミニウム系バインダーを用いたジオポリマーに類似しています。
【主な構成材料】
結合材(モルタル):
ポッツォラーナ: イタリアのポッツォーリ近郊で産出された火山灰で、コンクリートの強度と耐久性を高める重要な成分でした。
石灰: 火山灰との反応により結合材としての役割を果たします。
海水: 特に海洋構造物では、海水に含まれるミネラルが結合力を高める一因となったと考えられています。
骨材:
岩石(軽石質凝灰岩など)、レンガくず、砕いたタイルなどが使われました。
【主な用途】
パンテオン: 巨大な無補強コンクリート製ドームは、ローマンコンクリートの代表的な使用例です。
水道橋、橋、港湾: 水中での硬化特性を活かし、広範囲なインフラ整備に貢献しました。
コロッセオ、浴場、その他の公共建築物: これらの大規模建築物の壁や基礎にも広く使用されました。
【技術の失われた歴史】
ローマ帝国が滅亡すると、ローマンコンクリートの製造技術は失われました。中世ヨーロッパでは大型建築に石造が主流となり、再びコンクリートが広く使われるようになるのは、1824年にポルトランドセメントが発明されて以降です。
【現代への影響】
ローマンコンクリートの驚異的な耐久性と自己修復機能は、現代の建築技術や環境に優しいセメント開発の研究に大きな影響を与えています。
今回の【配合比】
一・二層目 生石灰:火山灰:マサ土:砂=1:1:8
三層目 生石灰:火山灰:マサ土:砂=1:1:4:2
いずれも硬化促進のため混合の際は海水と同程度のにがり塩の塩水を使用。
真砂土を使ったコンクリートは収縮が激しいのでバサ土状にして叩かなければならない。
今回はその労力を省くため流し込み程度ではないが押し込む程度にネタを練った。
だが、その状態だと必ず干割れが生じてしまう。そのため一気に仕上げるのではなく三層に分けて施工してみた。
だが結果、残念ながら干割れがところどころ生じてしまった。施工時期の9月初旬はまだ気温が高く始終散水を試みるべきであった。
無難な選択をするならば、真砂土の収縮はどうしても避けられないので、伝統的なたたき同様になるべく水分を少なめにしバサ土程度に抑えて叩くしかない。
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