よって、ここでは実験で確かめられた結果を主に伝えようと思っている。
確かに、ミステリーに富んでいる。ユークリッド幾何学は11巻からようや立体や正多面体について語り始め、13巻で未完で終わっている。未完というよりはそれ以上の情報がなかったのかもしれない。無理やりしめっくくっている。ユークリッド自らが解明に挑んだわけでなく編纂者であったのだから。
後に続く14・15巻はプラトン立体の性質から導かれる立体を分析した内容で、その中にはアルキメデス立体が含まれている。取り立てて新しい理論の展開は見られない。
私は、思うにこのプラトン立体のミステリアスな部分は、はたしてユークリッド幾何的な解釈だけで探求できるものか疑問なのである。というのは、ユークリッド幾何自体、この世界である空間を示す幾つもある言語の内の一つのであるからだ。しかもベーシックとはいえ、矛盾にあふれている。どうして今まで人類はこんな言語でのみ文明を築いてきたのだろうか。いや待てよ、ローマが征服する前のケルト民族や日本のアイヌ民族などを始め、非ヨーロッパ文明の他の民族や文明はどうだっただろうか。
その視点から眺めれば、解明の手がかりは見えてくるのではないだろうか。