3/03/2010

テンセグリティー その5

テンセグリィーのゆらぎ

下の図は、プラトン立体の双対関係を示しています。ユークリッド幾何学では、ここで示された相対する立体は2つに明確に分かれています。
しかし、テンセグリティーによって形作られた相対する立体は、その変容過程の両極に位置しています。

そして、前回示したテンセグリティーのモデルはその変容過程のちょうど中間に位置しています。
この図では、その変容過程を無限大の流れで示しています。
前回提示したテンセグイティーモデルが、相対する2つのプラトン立体の間の中間に位置しているとは言っても、その前後を提示しなければ、それをイメージするのは困難です。

もちろん、そのモデルを提示することはできるでしょう。
しかし、テンセグリティーの軸は、軽量化のため細く、軸が多いと複雑に見え、さらに理解に苦しみます。
また、線材と軸材の長さによってその形が変化するため、ゆらぎの変化が読み取りにくくなっています。

そのためここでは、皆さんにその軸をかなり太く変化させた形態を提示し、新たな取り組みを行なってみようと思います。
それによって、このゆらぎを思考で感じることができれと思います。
その形態とは、テンセグリティーを進展させた軸体、もしくは多軸体といわれるものです。


テンセグリティーの進展

これからお話していく軸体・多軸体とは、広くは軸状の材による構成をいい。多面体に対応することのできるものを多軸体といいます。
この多軸体を命名された方は、岡 利一郎 (OKA Reachlaw)と川本 昌子( KAWAMOTO Masako)の両氏です。


また軸体カテゴリーに入るものは、テンセグリティーはもちろん、マルチ・レシプロカル・グリット(multi-reciprocal grid)やダヴィンチ・グリッド等がありますが、今後必要に応じて取り上げていきたいと思います。より詳しくは、私のウェブサイトをご覧ください。

なお、この軸体はユークリッド幾何学とは相容れない点があるため非ユークリッド幾何学のカテゴリーに入るといっても良いでしょう。

次回、具体的な変容の過程を多軸体の模型を参考に示していきたいと思います。



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