7/20/2023

古代セメントの固まるメカニズム

 【海水からセメントを取り出し包丁を作る】

“the sharpest seawater knife” as if there are literally any other seawater knives in existence
https://youtu.be/pFG-nXUw6Ts
文字起こし


 古代エジプト・ローマでも使われ数千年来建造物を保ってきた古代セメント、現代ではその製法は伝承が途絶え、ジオポリマーとして研究されてはいるが民間人でも使えるような画期的な製法は見つかっていない。
タルタリア文明崩壊以降、この技術を使う石工集団や文献・証拠は抹消され、それに代わって寿命の短いセメントが発明されて現代に至っている。

私はこの5年ほど古代セメント・古代コンクリートを研究・調査してきているが、今回この動画で調合された方法で古代セメントや古代コンクリートは作られたのだろうと確信を得ている。

日本でも人造セメントとしては三和(たたき)が知られている。
粘土と海水(にがりであるマグネシウム)と石灰または焼いた貝殻(カルシウム)この三つの要素がかなめである。
さらに、これはほとんど技法として知られていないが、より寿命を長く強固にし塩害にも強く護岸工事にも使われてきた人造石を作る技術もあった。

だが、その技法は現代のセメント(ポルトランドセメント)の登場によって忘れ去られてきたかのように文献では書かれている。

私が勘ぐるには、生産にエネルギーコストが少なくて済む古代セメントなど必要とせづ、寿命の短いサイクルで消費される建造物、ひいては都市を計画していた組織的な存在によって、この古代セメントの技術は抹消されてきたのではないだろうか。
いわゆるタルタリア文明を崩壊させてきた存在たちによるものではないだろうか。





【酸化マグネシウムの精製過程】
酸化マグネシウムは、海水と石灰石から作られた天然由来の成分から作られています。以下の製造工程の通り、人体に有害な成分や化学物質は使用していない。



石灰石(CaCO3)を高温で加熱して、生石灰(CaO)を得ます。
CaCO3 → CaO+CO2

ここで生じた生石灰に真水をくぐらせることで、消石灰[Ca(OH2)]が生じます。
CaO + H2O → Ca(OH)2


消石灰に海水を混ぜることで、イオン交換反応により水酸化マグネシウム【Mg(OH)2】を生成。
Ca(OH)2 + Mg2+(海水) → Mg(OH)2 + Ca2+


生じた水酸化マグネシウムには海水由来のNa+,Cl-が多数付着しているため、洗浄した後、乾燥させることで酸化マグネシウム(MgO)が作られます。
Mg(OH)2 → MgO + H2O

この動画では、この酸化マグネシウムに塩化マグネシウムを混ぜて乾かせ、フライパンより固い素材を作り出している。

【参考資料】
長七たたき (人造石)物語 ~服部長七という人間像と人造石が固まる謎~
以下、要所転載
第2章 人造石が固まるメカニズム1 長七たたき (人造石)とは
  「たたき」は、江戸時代から土間や井筒、流し場などで古くから用いられていたものです。「たたき」は小石の混ざった土と石灰、にがりを混ぜ叩いて固めることから「たたき」とか3つの材料を混ぜことから「三和土」ともいいます。
  特に愛知県三河地方から西日本でよく利用されました。これは、この地域では花崗岩が風化した土「サバ土、マサ土」が手に入り安かったからと考えられます。

2 たたきが固まるメカニズム(出典:INAX 基礎研究所)
(株)INAX基礎研所のX線回折では、構成相は石英、長石、雲母、カルサイト(炭酸塩鉱物)であると確認されました。この石英、長石、雲母は、たたきの主原料である風化花崗岩によるもので、たたきの化学組成から主成分はSiO2、Al2O3で、約7%のCaOを含まれており、消石灰に換算すると約10%に相当することになります。
しかし、文献に多く見られる長七たたきの調合では30%程度の消石灰を混合すると記録されておりますが、今回のたたき含有量測定値は2.76%であったと報告されています。
長七たたき化学組成(蛍光X線回折 重量%)
SiO2 Al2O3 Fe2O3 CaO MgO K2O Na2O TiO2 L.O.I
62.3 15.1 1.0 6.8 0.4 4.7 1.3 0.1 8.4

X線回折ではカルシウム化合物としてカルサイトのみが確認されており、全CO2がカルサイト中にあるとして仮定すると7%のCaO量のうち約50%がカルサイトとして存在することになる。しかし残りのCaOはどのような状態で存在するかは明らかにできませんでした。一つの可能性として、風化花崗岩と添加した消石灰が反応しケイ酸カルシウム水和物等が生成したことが考えられています。
その他にたたきの微構造から固化機構を検討するために、細孔径分布と偏向顕微鏡及び走査電子顕微鏡観察を行った結果、真土(マサ土)と消石灰と水を練り混ぜ十分締め固めたものと確認されました。

              水和反応    炭酸化反応 
Al源(粘土鉱物)花崗岩風化物+Ca(OH)2→CaCO3+H2O
CaCO3+ Ca(OH)2→CaO+CO2
CaO+ H2O→Ca(OH)2


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