10/02/2009

建築の起源

 建築物においてドームは、技術的に最も難易度が高く、柱のない空間を天空に見立てることで、古代より主に神殿など特別な目的のための聖なる空間とされてきました。しかし建築の起源をさかのぼれば、聖なる空間には家族単位の住宅もあり、死者を祀る空間である墓にもありました。
 太古の時代、建築の始まりは洞窟にあるというのが一般的ですが、それは今日まで遺跡として遺されているからでしょう。実際洞窟は少数で、むしろ大半は樹の上が安全なので、蔦や木々の枝をからませて住んでいたのでしょう。そのあたりツリーハウスといってもいいでしょう。
 しかし、地上に建つ人工的な建築物となると異なります。死者はもう樹上には上がってきてくれません。そこで何らかの死者を祀るところを印で作る必要に駆られます。その印でありシンボルが単に小山から人工的な祠に発展した可能性は高いのです。この祠が地中に空間をつくり、定住民ならば何世代も繰り返すたびに拡大し、それに伴いその間に培った技術が住居に応用されていったのではないかと察します。
 紀元前以前のイタリアのある地中海の島には今でも円形状の石でできた集落の後が見受けられます。これは有史以前、アトランティス時代以降、その民族の末裔が住んでいた跡だと思います。

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