10/17/2009

メビウスの輪の変容(反転)

 前回、メビウスの輪と無限大の記号との関係について述べたが、その内容は言葉のイメージでは伝わりにくいと感じた。
そこで、今日は絵図でメビウスの輪の変容を示してみたいと思う。
 メビウスの輪の面半分をテーブルの面に沿って広げていった状態である。それは右の絵図の上から2段目で示している。
作り方はその上の絵図が示すように、紙に縦長のHを書き、それに切込みを入れ、その中央の紙辺を起こし、その端を互い違いに(a-a')貼り合わせればよい。
多少全体がゆがむが、実際の現物の方がより具体的に見えるので試作をお勧めしたい。
幾何学の比較的新しい考え方でトポロジーといった分野がある。面の要素が同じで、そのかたちを変化させることで、その中の不変の要素を導くことができる。
この面の要素を永遠に広げていけばメビウスの輪の反転を示すことになる。
 既にかなり変容を行なってきたが、さらに現物を元に直感を使ってトポロジーによる変容を行なってみよう。
3段目の絵図はお分かりになるだろうか、切込みを入れたHの線を曲線に変化させてみた図である。このイメージは紙では無理なので、曲面を生む材料でできている、例えばプラスチックやゴムシートのようなものを想像していただきたい。
このように見ると、その中央の橋がねじれ、表裏の空間が曲線を描きながらスムーズに一体となっている様が理解できるであろう。さらに、トポロジー的にその中央の橋をよりスリムにしていけば無限大へと戻る。

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