11/04/2011

The Da Vinci Dome Project 2

部材を加工するための標札を作りました。
数量の他、全体の長さを記しておくと大変便利です。
参考にしてみてください。
ここではその一例を示します。
上の図は、模型直径250mm設定です。
下の図は実物ドーム直径5500mm設定です。

I made  plates for producing components. 
It is very convenient if you describe the whole length and quantity on there. 
Please refer to it. 
Here is one example. 
The upper figure is for a model  setup in diameter 250mm. 
A lower figure is for an actual dome setup in diameter 5500mm. 






10/31/2011

The Da Vinci Dome Project 2

新たなドームの制作に入りました。
ダヴィンチ・ドームのバージョン2の発表は来年の1月中旬を予定しています。

今回は前回の経験を踏まえて、かなり改良を加える予定です。
入り口の幅も高さもしっかり確保し、ドームを以前より高くします。
また、ルーフィングのプロトタイプを開発できればと考えています。
グリットの一部をパネルで覆う展示になるでしょう。
更に、これが大切なのですが、モバイルハウスとしての有用性を全面的に提示しようと望んでいます。
そのため、これからパネルによるプレゼンテーションも準備しなければなりません。

いよいよカタストロフィーの序曲が始まっています。人類は今、いまだかつてない地球の進化にいかに同調していくかが問われています。従来の文明から人類は脱皮する時に来ているのです。これからは更に変化が加速します。抜け殻に固執すればするほど苦しむ状況となり、そうすればするほど崩壊のピークは高くなっていくのです。
時間はまったくありません。
急いでこのモバイルハウスを完成させて、いつでも移住できる体制を整えねばならないのです。

部材Hに注意せよ!全部で60本だが、入り口(タイプⅡ)を設ける際は、その内の3本が長くなったり短くなったりする。
Be careful with the component H ! In all 60, but when preparing a door(typeⅡ), three of them become long or short.




【今日の作業】
たいして進みませんでした。
基本的な部材は、画像上段で示した四種類です。
入り口や高さの調整などの設計によって、それらの部材の長短の種類が増えます。
画像下段の5種類はドームの脚部に位置する部材です。
これから材料を加工していきます。画像は様々な部材を識別するための札です。
通し穴を設けて色わけするまで部材にくくりつけておきます。

10/26/2011

How to make the Da Vinci Dome

「ダヴィンチ・ドームの作り方」

DIYマニュアルのご紹介

ダヴィンチ・ドームとは、レオナルド・ダヴィンチが考案した グリットよって組み立てるジオデシックドームのことです。



このグリットのパターンを神聖幾何学に基づき構成し、それを球面に投射することで構造が形成されます。
これにより構造は、従来のジオデシックドームよりもより簡素なメカニズムとなります。
組立の際は、特別なコネクタなど必要とせず、部材の軽量化と作業効率が計られます。
さらに、従来よりもねばりとしなやかさを有する構造は、地震等による衝撃を吸収する働きがあります。
このグリットによるドームはダヴィンチのアイデアが最も生かされた一例であると言えるでしょう。


この度は、このドームをセルフビルドによって作ることを可能にしました。
この商品はフォルムデザイン事務所・村田弘志が開発したマニュアルとプログラムからなっています。


現在、構造を組み立てるまでの内容ですが、時を待たずして皆さんにご提供いたします。
来年の春にかけてはその外殻である屋根・ルーフィングのシステムを開発する予定です。
後々、モバイルハウスとしてご利用が可能となるまで開発と研究を進めて行きたいと思っております。
なお、構造のみのご利用としてはドームパーゴラとして、また透明ビニールシートで覆っていただければ温室としての利用価値もあります。

実際に、このデータを基に数メートル大のドーム構造を組み立てることも可能です。(3m~10m)
実物を組立の際は、先ず模型を制作し、それを参照にしながら組み立てることをお勧めします。
なお、このドームの詳細については私の本サイトwww.hiroshi-murata.comを参照願います。


【マニュアルの内容】

目次より

1章 制作の流れ

2章 .立体チャートの組立.

3.章 部材説明.

3-1.基本部材.

3-2.脚部部材.

4章 .部材諸量表の説明.

5章 .立地面の設定と脚部調整.

1.立地平面における各寸法と角度.

2.脚部の調整.

6章 .模型制作.

7章 .ドームの制作.

1.材料の選択.

2.諸量の算出.

3.部材加工.

4.組立の手順.

8章.ルーフィングを考える
ワード形式による、A4-ページ数20、イメージ図21点


【設計プログラムの内容】


希望の大きさのドームの直径を入力していただければ、全ての部材の寸法が自動的に算出されます。
また、入り口や窓の大きさなども調整できるプログラムも含まれております。

エクセル形式による、A4-ページ数8、プログラム表6点、イメージ図8点





10/03/2011

The Da Vinci Dome 次回の予告The next notice

「ダヴィンチとフラーのアイデアが融合した新たなジオデシックドーム」と題し、
来年2012年1月17日より1ヶ月豊橋美術館周辺にて再度内容を充実した屋外展示を行なう予定です。

その際、ドーム内に設けられたパネル展示では、川合健二のコルゲートハウスを始め、惑星地球号のフラーのアイデアを加え、モバイルハウスとしての可能性もご紹介いたします。

この新たなドームは、ダヴィンチの他様々な先人達のアイデアを抽出し融合することで創り出されました。
それによって、環境に適した形やデザインが建築・自然科学・幾何学等のつながりから導かれることを示し、芸術における新たなビジョンを提供したいと思っております。



ダヴィンチ・ドームのキャプション


レオナルド・ダヴィンチはスケッチ画の余白に謎の模様を描き遺しています。
それは全く用途不明のアイデアであり、数世紀もの長い間注目にも値しないものと見なされてきました。
ところが近年、この模様がある種の幾何学的パターンを形成し、構造的に有用であることが徐々に明るみになってきたのです。

一方、ジオデシックドームは最小の材料で最大の空間を生み出すことでも知られています。その柱のない空間は快適性や熱効率を高め、間伐材だけでも組立できるエコロジーなドームです。

今回展示のドームは、その骨組みのパターンにダヴィンチのアイデアを取り入れたものです。それにより、構造はより柔軟で粘り強くなり、接合はよりシンプルになることでエネルギー効率が高まります。
っております。


9/13/2011

新型ジオデシックドームの組立 Assembling the new Geodesic-dome

ドームは基本的に下から組み立てていきますが、今回のように部材が軽量ならば上部に当る部材から始め、持上げながら接合していきます。このほうが安全で効率が良いのです。高い脚立を必要とせず、部材を持っての上がり下がりの作業がありません。
ただ、今回の様に部材が自力でかなりエネルギーを使うほど固くしなりが少ない場合、下から組んで行った方が良かったのではと思います。その方が体重を利用して部材を楽に曲げることができるからです。

組立を見ていきましょう。
五角形を成す部材にあらかじめ組んでおいたグリット5枚を繋げます。
ドームの頂上部の組付け。
猫が興味深々に観察している。
 ここからWH 5本を繋げるとグリット全体が浮き上がってきます。
WH 5本に組立済みのグリット10枚を繋げる
自動的な浮き上がりでは接続が困難なため脚立を中心に立て宙に浮かせて行います。
その周りに次に接続するWHを5本置く
このあたりから脚立を接続する部材のあたりに移動ながら作業を行なっていきます。
五角形を形成する部材H5本の内2本を置く
このあたりから部材の識別が困難になってきました。やはり明確に識別できるように小口だけでなく端部数センチは色を塗っておくべきでした。間違えて取り付けてしまった箇所もありました。
それで模型を見ながら確認しての作業です。色で明確に識別できるならば簡単な絵図で判断できるのではないかと思います。
側面の五角形のグリットが出来上がる
このあたりからドームに付き物の横圧力が生じて側面の部材が広がろうとします。少しずつ内側にずらして形を整えながら作業して行きます。
それにともなって部材が思ったようにしならないため接続に困難を極めました。ロープを使ってグリットを絞りながら手繰り寄せるようにして接続箇所を合わせて行きました。かなりの筋力を必要としました。大変いい運動です。ほとんどジムの筋トレ。でも、この日はラチェット付きのベルトでも用意しておけばよかったと後悔してました。

下部の組み付け
ここまで作業して1日半。ゆっくりのんびり楽しみながらの作業に加え、来覧者や知人と話ながら休み々の作業だったので正確とは言えない。今回棕櫚縄による結束作業にはかなりの時間を割いてしまった。それでもネジに比べれば強固に固定されている。
2・3箇所しなりの強さに耐えられない部材にひびが入った。やはり気付かなかった節のあった箇所だった。
下部はまだ未完成なので開き気味。
ドームの真ん中にロープを張ってこの開きを調整している。
夕方にはドームのあたりにオーブが漂っていた。
部材が開きすぎて素手による接続作業が困難な場合上の画像が示すようにロープを使って手繰り寄せてみてください。たぶん二人作業ならば全く問題はないでしょう。上の画像はドーム下部のグリットを示していますがこのあたりはなぜか楽に収まります。
むしろ側面の中間部の方が困難でした。
作業3日目(9月9日)約16時間かけて完成
半径2750mmの円周上に下部グリットの垂直部材15本が位置します。ドームはこの時点で若干歪んでいるので、この正位置にグリットを定めることで完全な球形になります。
その作業を説明しましょう。
先ず、おおよその中心を定めて金属の細長い棒を打ち込みます。そして被覆針金を半径分コンパス代わりに伸ばしその棒にくくりつけます。
次に、コンパスの指す位置に垂直部材を手繰り寄せます。適当な長さの杭を15本用意してその位置に打ち込み固定します。ドーム下部が丸みを帯びてきます。
画像右側はそのようになっていますが、左側は杭がまだ打たれてなく手繰り寄せが甘い箇所です。
この位置決めは均等に円が描けていればどちらでも良いでしょう。

最後に入り口を作ります。画像左寄りのグリットに入り口を設けました。六角形を成すグリットの垂直部材を地面方向に延長し、余分な箇所を切り取って入り口ができます。約1.3m高なので低いですが、今回かさ上げする気力は残されていませんでした。
もし、かさ上げするならば杭を長めに残しておいてジャッキアップすれば可能です。しかしきれいに治めるならば、あらかじめ下部グリットの部材を延長しておくほうが良いでしょう。
延長の寸法はWHが75mmその部材向って右のHが62mmです。なお、WHの向って左のHは0mmとなります。

以上で長かった実験と試作の作業が終わりました。分析ではかなり困難を極め試行錯誤でしたが、道筋を見つければ後は楽で、組立は何とか予想通りに行きました。

今後は、年明けには更に完成度を高めたドームを別の箇所にて展示するため、その準備を進めて行く予定です。
またその間、このドームの一般化と普及を目的にデータのシステム化・マニュアルの作成も同時平行して行なっていきたいと思っています。

レオナルド・ダヴィンチがフラーと出会っていたら、「オレが考えたグリットでジオデシックドームを作ってみてくれ」と持ちかけていたに違いありません。しかしフラーの時代はまだ早かったのかもしれません。今の時代は空間の把握が全面的に代わる過度期にあたるような気がします。
そんなことで、この新しいタイプのジオデシックドームは単にダヴィンチ・ドーム(Da Vinci Dome)と命名しておいたほうが良いでしょう。

9/12/2011

新型ジオデシックドーム部材制作 The Component work of New geodesic -dome

部材は安価な木材を使いました。今回試作ということもあって、とことん低予算で行いました。接続のための棕櫚縄等を含め、総額1万5千円以内で収める事にしました。
木材はホームセンターで購入した赤松で4mの幅4cm、厚さ16mmで1本200円の品です。
後から気が付いたのですが、原産国ロシアです。最近は放射能に関する情報が容易に届けられるのでこういった木材にも注意が注がれています。チェルノヴィリ原発事故による木材の汚染です。外材で建てられた新築の家を購入する際は放射線値を計ってから購入したほうが無難です。実際すでに遅いのですが、かなり出回っていたそうです。
しかし、今回の原発事故でもっと身近な危険を感じるようになってしまいました。

さて、材料は赤松でしたが、これは選択時で失敗でした。杉に比べてしなりが弱くちょっとした節があると折れやすいのです。杉にしても無節で購入するのは困難ですが、できれば節は避けるべきです。
自然素材にこだわるならば、むしろ竹材がベストではないかと思います。孟宗竹を等分に割いて4~5cm幅で面取りすれば、かなり大きなドームまで可能ではないかと思います。その限界は下部のグリットがどれだけ自重に耐えられるかに因りますが。
今回、4mの材を3等分して長尺部材を切り出していきますが、このくらいの幅の材は大きな節があると使えないので無駄も出てしまいます。
お奨めの杉材を用いるのでしたら、幅が9cmの野地板がちょうど良いのではないかと思います。それならば多少節があっても折れることはないでしょう。

曲率はここでは図示するほどのことではないですが、一応簡単な目安を示しておきましょう。
部材のラインが設定の円周(大円)の一部ですので、部材の長さを円周で割って、それを360度で掛けると内角が導けます。
先ず、この角度を鋭角としてはさむ2辺を半径とし、部材の外方2つの穴を結ぶラインを底辺とする二等辺三角形を描きます。次にこの三角形の底辺の中心から延びる垂線の線分を求めてください。そして半径からこの線分を差し引いた長さが部材が曲がる時に必要な長さとなります。部材の両端を固定して上から人力で押し下げてその長さ分が程よく沈めばOKです。
部材の各所に接続用の穴を空けていきます。テンプレートを作っておくと楽です。
 4種類の部材を区別するため小口には水性ペイントで色付けしておきます。
小口だけでなく材を正面から見て識別できるように端部も塗っておくことをお奨めします。
今回組んでみて分かったことですが、組作業においてはグリット周辺を正面で見て作業します。そのため小口だけではほとんど識別しにくいのです。
これはバシャールのシンボルマークではないか・・・
組立前、2本とPH1本で組むグリットはあらかじめ組み立てておくと現場での作業が効率的です。
全部で60セットになります。

次に材の接合について説明しましょう。
今回、互いの穴を3mm釘で通して仮固定し、その後棕櫚縄1mで数回巻きつけて本締めとしまし
た。
釘は尖った方の端部を番線カッターで切り落として、切断部は接合部から出ないようにします。
できれば作業時怪我をしないようにその切断部はグラインダーで滑らかにしておいたほうが良いでしょう。棕櫚縄はくれぐれも水につけてから使用してください。結び方等についてはここでは省略します。

今回棕櫚縄で固定する選択を取った理由は、ある種のこだわりです。
できるだけ自然素材で特別な金具など使わないでもできるということを示してみたい。
それから、今だこの文明が見い出していないテクノロジーによる形態を電気がなくてもできるんだということを示してみたいという想いがあったからです。

材料の重さは約65キロ、これで直径5.5mの高さ3,3mのドームのグリットを組んでいきます。

車に積み込んだ日は台風12号の過ぎ去った後、この日は組立に取り掛かる前日です。
回の計画は、現代美術の野外展示が一つの目的でした。組立の現場は豊橋公園の城址跡地の空間です。台風の過ぎ去った後だったので初日は涼しく心地よい作業でした。

では次回、実際の組立に入っていきましょう。

9/11/2011

新型ジオデシックドームの模型制作 modeling of the new geodesic dome

模型の球面上には青いラインが規則的に交差しています。これは12・20面体を球に投射することで得られます。これらのラインはどれも同じで全周を10等分することで互いに交点を形成します。
交点間は36度でわかりやすいため、このラインを基に解析を行ないましたが、またこれを基に部材の組立を行います。
先ず最初に、解析に基づいて導かれた構造の寸法を示しておきましょう。

基本的には4種類の部材から成り立っています。
  • H:五角形を形成する部材 70本
  • P:六角形を形成する部材 30本
  • PH::五角形と六角形の部材を繋ぐ部材 30本
  • WH:六角形と六角形の部材を繋ぐ部材 20本
これに加えて、2種の短い部材がドームの底辺部に繋がります。
  • Hs:五角形を形成する部材 10本
  • Ps:六角形を形成する部材 5本
全部で165本、接続箇所は290もあるのでかなり地味で単調な作業を覚悟しなければなりません。
寸法は画像に記してあります。それは直径5500cm用なので、模型用には縮小しなければなりません。
おおよそ模型は25cmから30cmが扱いやすいので、220から183.3で割ってください。
部材の両端部は適当で部材幅でもあればよいです。
部材の素材は柔軟なものを選んでください。部材の長さは設定円の大円の一部なので弧を描きます。組んで行くに従って自動的に部材が弓なりになって行きますが、素材に柔軟性がないと部材同士の接続が困難になってきます。私はは手元にポリプロピレンの1ミリ厚の板があったのでこれを割いて使いました。竹材でも良いですが長さに対して固かったのでやめました。あるいはアクリル板を割いても使っても良いでしょう。

部材の穴は1ミリで各接続は銅線もしくは皮膜のなまし針金を使ってみてください。ペンチで丸くタマをを作って止めていきます。かなり細かい作業となります。
寸法出しは慎重に行なってください。1ミリの誤差でも全体に響いてきて球形の形がひずんできます。

部材の接合には規則性があります。
画像を良くご覧になるとわかるのですが、各部材が互い違いに交差しています。両端は必ず他の部材の上に重なり、それも中間部です。そしてもう一つの規則性は、その重なりは右回りとなるかその逆周りとなるかどちらか統一することで全体の形が出来上がるしくみです。
短い部材は接地面に位置するグリットを形成します。

模型が組み立てられたら固定するための底板が必要です。設定の円周を描き、その線上に垂直に立つ部材の位置を記します。
底板に対して垂直に立つ部材はWHが5本、Hが10本の合計15本です。
HH間は内角24.5度で5箇所
HWH間は内角23度で15箇所
以上を円周上に墨出しし、部材の位置に2箇所穴を開け針金を通して結束します。

なお、垂直に位置する部材はWHの向かって左のHのみ底板に接地しますが、他の部材はすき間を生じます。数ミリ程度なので模型の段階では気にするほどではありません。

では次回は実際に部材の制作を見ていきましょう。
素材は鉄や合成素材でもできますが、ここではどこでも容易に手に入る材料を使って示していきます。

9/04/2011

新しいジオデシックドームの試作・実験 Fabrication and experiment new geodesic dome


4月から取り掛かった新型ジオデシックドームの開発はなかなか進まなかった。
かなり古い資料とデータを整理し、頭を解析モードに持ってくるころには大変暑い季節に入ってしまった。
本格的には8月に入ってから始めたが、あまりの暑さで集中することが困難だった。
作業の8割は分析と幾何解析。残りの1割5分は模型制作。そしてようやく先週から1週間ほどで部材の加工・組立の準備が始まった。

ここで再度確認のため、この新型のジオデシックドームどう新型か説明しておこう。
従来のジオデシックドームはフラーの開発で知られているが、構成する支持材の接続が星状になる、いわゆる一点集中型であり、応力や荷重がこの一点の接続部に集中する。このためその接続部はかなり強固なコネクタなり、複雑な接続媒体が必要となってくる。
一方、新型はこの一点集中箇所を分散する方法を採っている。そのため接続箇所への応力は前者より軽減され、その結果軽量なコネクタや単純な接続方法が可能となってくる。しかし接続箇所を分散したことで、前者より接続箇所が多くなってくる。それによって作業効率はより低くなるかどうかはまだ判断ができない。これからの実験で徐々に見えてくることだろう。

上記の違いについては、最も分かりやすい外見上の違いを観点において述べた。だが、これを幾何学的・構造的・力学的場合によってはスピリチュアル的な観点からも説明できると思う。ただし今ここでは専門的すぎるため、その手の説明は過去ブログを遡っていただきたい。あるいは今後は他の方に譲ることにして、ここでは端的に示しておくに留めたい。なるべくこれからは読者のかたも同様に実験ができ、体感できる事を伝えることがいまの私の目的だと思っている。そして後々には読者の方が用意に制作・組立・アレンジできる方法を示して行きたいと思っている。
一応、ある程度予備知識のある方ならば、この新型ジオデシックドームはマルチレシプロカルグリットを用いたジオデシックタイプのドームであることは理解できるであろう。
歴史的な観点を強調すれば、レオナルド・ダ・ヴィンチのアイデアを発展させた構造を用いたジオデシックドームとも言える。あるいは幾何学的には非ユークリッド構造によるジオデシックドームと言っても良い。

私風に言えば、第三の構造でうんちくを傾けるところだ。だが、こんなものは何も新しいことではなく、人類が太古から編み出した柔軟で強固な繊維構造であって、自然科学的観点からすればその原型は原子核構造やDNA構造にあると思っている。
スピリチュアル方面では地球の周りには人の視覚では限界となって感知できないが、地球生成からの記憶層(アカシックベルト)といわれるものが存在している。これなどもある種のエネルギー体であってその構造はグリット状になっているという。そのグリットの空間はエネルギー体で渦を描いているだろう。その点などもこれから示していく構造とシンクロナイズしてくるだろう。
従来の専門家などは理解が及ばない分野を内包し、それらが技術をともなって開示されるであろう。そういった意味あいでは、時代的に”新しい”と言える。

幾何分析は直感を頼りに解決の道筋を見つけていく。球面幾何の他、ゾーン幾何や多面体の幾何(神聖幾何)を基に解析していく。それら幾つかの要素はお互いに関連しているため、総合的な判断にはより高度な技術と知識が必要となってくる。ここではその分析や解析など極めて専門的であるため、必要ならば別の機会に詳しく記述することにしよう。
分析・解析図

さて、それではさっそくドーム展開のストーリーに入っていこう。
先ず、ご存知のジオデシックドームをべースにし、これに相互依存形式の格子(マルチレシプロカルグリット、以下MRGと言う)を配置させていく。ドームは正12面体に対応する3フリークエンシー分割の多面体。そのままでも充分問題はないが、後々このグリットの接する支持材が垂直に配列されるように、この多面体にゾーンの要素を組み込んでおいた。
赤く示されたグリットの帯がゾーンの一つで同じような帯がこの多面体を6っ取巻いている。このゾーンで球体を二分することでゾーンが接地面に垂直に位置し、それに対応してMRGの支持材も垂直になるという狙いである。
次にグリットの分析である。球面上に位置することになる支持材の位置を幾何学的に求めるため、球の大円と小円上に上手く乗せる様に配置調整をする。
今回小円と大円の組み合わせによる方法を最初に採ったが、このやり方は相当骨が折れた。小円との兼ね合いには技術不足もあったが、むしろなるべく分析は単純にしたほうが良いと分かった。結果大円のみによる球面分割から位置を測定することにした。
そのためには、球の大円分割定規が必要になってくる。
この球形定規にはそれぞれの大円が交差する交点と交点の間の球内角が示されており、それを基に分析と解析を行なっていく。今回は主に画像の緑色の大円を用いる。
計算に基づいて模型を作ってみた。大きさは25センチぐらい。
今日はこのあたりでおしまいにして、次回は模型の制作と実験用部材の制作を紹介していきたい。
では、また。

4/03/2011

新たなジオデシックドームの開発に着手する。 Undertake the development of a new geodesic dome.

第三の構造で、ジオデシックドームを形成することも可能だ。
すでに10年前の冬から春にかけ数点の試作をつくったことがある。
その設計原理はゾーン多面体を核模型とするゾーン多軸体構造であるが、このときはかなり高度な技術を使った。通常のゾーン多軸体はゾーン多面体に対応するため形態は様々であり、完全に球状ではない。

基本形 
Basic form


変容形:一つの座標軸に沿って形態を拡張
Transformed type: one forms extended along one axis

変容形:二つの座標軸に沿って形態を拡張
Transformed type: one forms extended along two axes
球面に内接するゾーン多軸体を作るには、ゾーン多面体自体を球に内接するようにすれば良い。しかしゾーン多面体幾何学の原理からそれは厳密には不可能だ。
そこで、当時私は球に内接する変容型のゾーン多面体を設計した。ゾーン多面体の原則:各面の相対する辺は平行であり等しい・各面の対の辺は等しい、からは離れた。
球に内接する変容形のゾーン多面体
色付けされた箇所はゾーンを示す
Transformed Zonohedron that inscribe in a sphere
The colored areas show the Zone
 だが、ゾーン多面体の大原則であるゾーンという原理は残しておいた。これによって変容が可能となるようにである。

その後10年間、私はこのジオデシックを展開することにさほど興味が失せていた。それよりもゾーンによる展開を進め、有機的で造形的な建築をシステム化することに時間をかけたかったからである。
その間、試作と技術的・歴史的な検証を進め2008年に特許申請を行ない、ようやく今年の5月に特許登録となった。

それはさておき、現在私は今回の災害3.11の影響で2012年問題が早まっているのを感じている。しかも災害直前にダイアナ・クーパーによる「2012年とその後」を読み終わったところであった。
その内容によると、今後の急速な変化(進化)の中で政府は機能しなくなり変わりに共同体(コミューン)が社会を形成していくことになるそうだ。

私にとって今後取るべき方向を思案すると、早急に共同体(コミューン)を形成するための新たなるヴィジョンが浮かんできた。
新たなるジオデシックドームの開発である。
ジオデシックのシンプルな形態と多軸体の容易な施工がこの激変期を乗り越えることができるような気がするのである。
ただし、前回試作した方法は高度すぎて、この激変する時期においては荷が重過ぎる。よってゾーンの原理など使わない、まったく球形の単独形態でいこう。

そこで、設計原理はこうだ。
球面の大円と小円による構成から球面分割し、これを基に球面に沿った多軸体構造にする。厳密に言えば、球面に沿うわけだから互い違いに構成する軸構造、すなわちレジプロカル・フレームの様にはならず、むしろより広い意味で第三の構造によるものと言って良い。

3/11/2011

幾何学的変容 Geometrical Transformation

古代エジプトにおいてアトランティスから受継いだ幾何学の知識は封印された。それは人間を高次の存在へと導く技術であった。
アトランティス期、人間はそれらの知識を自ら見い出したのではない。それを受け取るにふさわしいある進化の段階が欠如していた。そのため知識の乱用や誤用が行なわれ、文明は滅んでいった。
大洪水の後、人類はそれを受け取る前段階の文明へとレベルを降ろされるに至った。
幾何学の知識は新たな文明を自らの手で築くために必要な要素のみが残され散在させられた。それらを集め編纂したものが今日の物質文明を築くことになるユークリッド幾何学の基となった「原論」である。
この幾何学は物質を超える存在を扱うには限界があった。そのため二千年近くプラトン立体としての要素は進展もないまま留まっていた。5つの多面体から派生する無数の多面体群の発見は叡智というよ
り、むしろ試行の積み重ねであった。
だが、前世紀後半より新たな突破口としていくつかの要素が見い出され始めた。アトランティスの叡智へ
とつながる入り口である。


In ancient Egypt, the knowledge of geometry that inherited from Atlantis was sealed. It was the technology lead to a high level of human presence.
In Atlantis period, people found their knowledge without themselves.
They lacked the stage of suitable a certain evolution for the receipt of it. Therefore, the abuse and the misuse of the technology that accompanied knowledge were done, and the civilization was ruined.
After the deluge, mankind came to be taken down before the stageand level of civilization to receive it.
The knowledge of geometry was left only the necessary elements to build a new civilization in their own hand, and made to spread. They were collected and compiled what is "Element ",that became the radical of Euclidean geometry that would build today's material civilization.
There was a limit on this geometry to deal with existence than material.
Therefore, the elements of a Platonic solid has remained nearly two thousand years without progress.The discovery of an innumerable polyhedral group that derived from five polyhedrons was accumulation of the trial rather than wisdom.
However, several factors began to be found as a new breakthrough inthe second half of last century. It is a portal leading to the wisdom of Atlantis.

3/07/2011

来たるべき黄金都市の建築 Sacred Architecture of coming golden city

 宇宙の雛形としてのドームは人間の調和的発展を目的として結晶化しました。
来たるべき文明はアトランティスの叡智がよみがえりスピリチュアルな文明が築かれようとしています。さらに地球外文明の叡智も伝わり高次元の幾何学に基いた空間が展開されるでしょう。
その具現化として、人間の精神的進化を促進させる空間が神聖幾何学に基いて形成され、物質をなす結晶構造を核とした繊維組織体からなる有機的な建築が示されようとしています。
以下の一例は、建築が構造そのものから装飾や有機的な造形を形成することが可能であり、それが様式美となることを神聖建築によって示しています。換言すれば、それは建築が芸術として次元上昇を遂げる一形態を意味しています。

The dome as the model of cosmos  was crystallized aiming at harmonious development of man . 
As for coming civilization, wisdom of Atlantis tries to revive and to be built a spiritual civilization.  In addition, wisdom of the extraterrestrial civilization will be transmitted and the radical space will be developed with  high-dimensional geometry. 
As the realization, the space to promote human spiritual evolution is formed based on sacred geometry.
And they are going to be shown organic architecture that consists of the fibrous tissue and comprising a core component in the crystal structure.
The following one example shows that construction can form a decoration and an organic forming according to the structure, and it becomes one style  by sacred architecture. In other words, it means one architectural form that accomplished ascension as an art.



【人間の調和的発展のための神聖建築】
メテオロン
Sacred Architecture for Harmonious Development of Man
METEORON




側面 
side

正面

facade



天蓋部
canopy


平面図
 ground plan

3/01/2011

プラトン立体 Platonic Solids-1-


幾何学は数学における一分野ではなく、数の概念を生み出すヴィジョンの源である。その応用範囲は他の技術分野に関わる形態や構造そして空間の構成・把握に及んでいる。
そして、その発展は文明発祥以来、建築・彫刻・絵画等の芸術の分野にも影響を与えてきた。
幾何学の初期段階にユークリッド幾何が登場した。その中でも特に立体を扱った分野を多面体幾何学というが、それら多面体構造は正多面体いわゆるプラトン立体に基づいている。
ユークリッド幾何は「原論」全巻13巻にまとめられているが、最後の3巻は立体幾何に当てられており、その到達点はこの正多面体の解明に向けられている。
 
Geometry is not one field in mathematics, but originally a source of the vision that invents concepts of the number. Its application range amounts to understanding the structure andconfiguration of the space technology and other related forms.
And its development has influencedthe field of art and sculptures, paintings and architecture ever since the cradle of civilization.
The euclidean geometry appeared at the early stage of geometry. The field which treated the solid especially called the polyhedral geometry. Those polyhedral structures are based on the regular polyhedron, so-called the Platonic solid.
Euclidean geometry "Element"has been compiled into 13 volumes of the whole, the last three volumes are devoted to polygonal geometry, the point has been reached for clarification of this platonic solids.

2/24/2011

ユークリッド幾何学 Euclidean geometry


紀元前3世紀にユークリッドによって編纂された「原論」は幾何学の一形態でありユークリッド幾何学といわれている。その学問は、数学において重要な役を演じ様々な学問にも影響を与え我々文明の基礎を作り上げてきた。
「原論」は全13巻に及ぶ。最後の巻に行くに従いこの幾何学の目的が正多面体の解明に向けられていたことが分かる。後世2巻が追加され多面体の性質を展開させて見せたが、その後紀元前後から中世にかけての進展は中断され、いまだ未完成にある。正多面体、いわゆるプラトン立体の中には宇宙生成に関わる法則が含まれるとして古代より研究が続けられてきた。これらが今日神聖幾何学として知られているものである。

2世紀前にユークリッド幾何学の矛盾に気付くほど人類が進化し、非ユークリッド幾何が打ち立てられた。この幾何学は前者に対して対立するだけではなく包括する意味をも含んでいる。

原論に追加された2巻はプラトン立体から派生する形態の体系化を示しており、その方向からは新たな進展は見られない。だが、非ユークリッド的発想からすれば新たな展開が用意されている。この展開から宇宙生成に関わる秘密もより明確になるであろう。


 ”Elements” , that compiled by the Euclid in the third century at B.C. is one form of geometry and it is said the Euclidean geometry. It is performed an important post in mathematics, and  has made up the base of our civilization by it's influence on the other fields.

”Elements”  consists of 13 all volumes. It is understood that the geometrical purpose was turned to the clarification of the regular polyhedra while going to the last volume. After B.C., 2 volumes were added to this book , the character of the polyhedron was developed. However, the progress remained being interrupted for 1,000 years spent in the Middle Ages afterwards. And it is still incompletely.
The law related to the space generation is included in the regular polyhedra, known as the Platonic solids, and the research has been continued from ancient times. It is the one known as sacred geometry today.
 
The human race evolved by the awareness of the contradiction of the Euclidean geometry before the second century, and thenon-Euclidean geometry was built up. This geometry is not only for the formeropposition also includes a rather comprehensive meaning.


Two volumes added to ”Elements” show the systematization of the form that derives from the Plato solid. And, a new, geometrical progress is not seen from the direction. However, new development is prepared from non-Euclid conception. The secret related to the space generation from this development will also become clearer.

2/14/2011

多次元幾何学構造(Multi-dimensional geometric structures)その3

いずれにせよ核の新たなるVisionが試される。
核は立体ではない、中空状のエネルギーで保たれている。
点の存在には慣れているが、その更に中心の概念には慣れていない。
この中心を変えることはすべてをも変えてしまうからだ。

最も単純な平面で捉えてみよう。
平面の上の点は二本では囲めないので三本のラインで描いたとしよう。
すると面にならない様にせねばならない。要するに三本のラインは空間上で交わらない、上空から見ると交差している状態だ。

中心を中心にして三本のラインが交差し、てその囲まれた空間がある種のエネルギーで回転している。もちろんこの解釈に近いのが量子の世界だ。
この空間は、それらのラインによって成り立ているとはいえない。それはこちら側の幻想であって、むしろこの回転する空間が3本のラインを引き寄せられている。

さて、ここまでは平面の世界を非ユークリッド化して示した。多次元構造の現実的世界はより流動的であり、これが立体に展開していくと、多次元多軸体構造(Multi-dimensional Polyaxses Structures) へと変容を遂げていく。

多次元幾何学構造(Multi-dimensional geometric structures)その2

通常の次元は直行3座軸をさし、3D(dimension)といっている。
これは立体と思われているが、実は平面の延長で、その積み重ねにすぎない。
実際の立体といった、いわゆる中身が詰まった空間概念などない。誰もそれ以上に考えたくない、考えるに値しない内容だと思われている。
多次元幾何学構造とは、多くの座標軸でもって成り立つ構造である。幾何と名付けてあるのは、任意も含め規則性が含まれているからである。
この多数の座標軸の集まる中心はコア(核)というが、球状で示される。だが、実際は平面の円の積み重ねではない、。ユークリッド幾何の下においてはそうせざるをえないのだ。


そうしてみると多次元の構造で知られている双曲面が現われてくる。
これなどは、非ユークリドと関係があるが、いまは飛ばそう。
それから当然今日では一般的になりつつあるゾーン多面体(Zohnohedron))を形成するゾーン幾何学(Zome-geometry)、これは多次元幾何学構造の代表格のようなものだ。
これらの構造を見ていくと、その多様性に驚かされる。どうして人類は今だ3Dにこだわり続けるのか。それとも知らないまま数世紀におよんで知の創出が停滞していたのだろうか。
1960年代、様々な試みが建築を通して行なわれてきたが、このゾーン幾何学もその内の一つであった。

ドームパーゴラ(Domed Pergola)Ⅲの完成

あれから1週間が経ち、その間豊橋も大雪。久々に暖かくなり、晴れ。
パーゴラの脚にベンチを取り付けに行った。
 とおり行く人は足早に過ぎ去っていく。風が吹き体感温度が低い。
駅前大通でさえシャッターを閉めているお店がちらほら。今日は日曜日なのになぜかひっそりしている。
すでに消費文化としての都市の役割は終わっている。色々なイベントや盛り上がり策も一時的なドリンク剤だったようだ。消費が郊外に移行した後、資本主義が崩壊し、目的の見えない抜け殻のような都心が残っている。

 こんなところでアートをやる意味は何だろうか・・・
地球が今何を求めているか、人々は今後の急激な変化にどう対応していくのだろうか。

見上げると、パーゴラの頂上部は五角形の星型に組まれている。
上空には黄昏時になれば金星が現われる。Venusは美の女神であり、金星を示しており、その象徴は古代より五芒星となっている。

2/08/2011

多次元幾何学構造(Multi-dimensional geometric structures)その1

テンセグリティーについては、模型を参照にその変容を述べてきた。それによって幾何学的体系の観点からすれば、多軸体(Poly-axes)の範疇におさまることが理解されたと思う。

先月はこの構造を使ってドームパーゴラを作ったが、詳しく言えば、その構造さえも変容させている。
幾何学的用語で言えば、ゾーン多軸体構造というが、この構造について言えることは、私個人の恣意的な幾何研究の成果ではなく、それは普遍的な幾何形態の発見にあるといえよう。
包括的には、次元の観点からいうと3次元構造をも含むことから、多次元幾何学構造といってもよい。

ここで、専門的な幾何用語を用いず、努めて具体的にその概要を述べてみたい。
そもそも多次元幾何学構造とは何かについて。

2/07/2011

Domed PergolaⅢ-組立construct

いよいよ組立の段階に来た。

今回の設置場所は豊橋駅南口にある小広場
この設置はアートイベントとなる。
この場でとよはしアートユニット(市民団体)主催のアート展がなわれるが、このパーゴラはその展示作品として参加した。
期間は2月5日~2月24日までの約3週間。

当日作業開始は1時半から。
今回もある程度の困難を予想している。一箇所でも躓けば作業は明日に持ち越されてしまう。
一人でいかに効率よく行うことができるか。ひとつの挑戦であり、実験でもある。
 先ず、長尺コンパスで敷地面にマーキング。支柱が置かれる位置にテープで印をつける。


支柱の一対を組立、あらかじめ用意しておいた「固定具」で直立を保つ。支柱との固定は自在クランプで簡易に締め付けておく。

 二組立ち上げたらその組をつなげる支持材を組んでも良い。今回「固定具」は念のため三つ組用意しておいたが、二組でいけそうである。もし2人作業の場合なら、一組は必要だろう。3人作業ならば、この「固定具」は必要ない。
支柱の対それぞれを互いにつなげていく為の支持材を組む。この作業は唯一難儀をしてしまった。支柱のてっぺんの支持材とかみ合ってロックするので組みにくい。
このてっぺんの支持材は後から組付けるべきだった。

次にドーム上部の菱形2辺にあたる支持材2本をつなげる。入の字の順序で組む。
当初心配していたこの組み付けは難なく行なうことができた。
材が軽量であり、ネジの強固な締め付けで材の一本立ちが可能だったからである。
そうでなければ材の接合部を仮結束で固定して、反対の端部を何らかの方法で持上げておかなければならない。
一応そのための策は用意しておいたが、今回はそれをまったく必要としなかった。

上部の組み付けは高所作業であり若干のひずみにより作業が困難を極めるかと思っていたが、面白いようにすんなり組みつけができ、気が付いたら写真に収めるのを忘れていた。
だから後は最後に出来上がった写真しかない。
高さは3.5mほどでちょうどよい高さになった。
終わったのは6時ごろで中間に30分ほど休憩を入れたので、前工程作業約4時間の作業であった。

暖かく、風もない一日であったが、日が落ちると急激に冷え込む。明日に持ち越さずに良かった。

今回の作業を通して、ドームパーゴラとしての商品化は充分可能であることが分かった。それは施工の他、キット化やマニュアルとしての商品化も含めてのことだ。
その根拠として、以下の点が挙げられる。

  • 前回の丸棒と違って、容易に材料を安価に入手することができる。
  • 加工もホームセンターで購入できる一般的なDIYの道具や工作機械でできる。
  • 前回の丸棒の骨組みと異なり、比較的容易に、かつ短時間で組立ができる。
あと、多少の難点としては、ノコギリの手作業で正確に仕口(接続口)の切込みを行なうくらいだ。
ここは、ジグソウなど使っても歯がぶれてしまうので上達するしかない。

今回、アート作品として野外に出すのには充分な大きさとなった。
早速サイトでも販売することにしよう。

今日あらゆる分野にアートが浸透していっている。その所以は、独立個人の人たちが増え、創造性が湧き上がっているからだろう。それと同時に既成概念が崩れてカテゴリーの崩壊が始まっている。
本来アートは生きていることそのもの。あらゆる分野とつながっている。以前は宗教・建築・土着の祭りや行事に組み込まれてアートとは言わなかった時代がある。だが、分離された時代を通してアートとは何ぞやに人類は目覚めた。さりとて、その歴史は高々2百年そこそこ。これからが新たなアートによる時代が始まろうとしている。精神世界で言うところのアクエリアス・統合の時代へといやおうなく進化していくことだろう。